「社員が気軽に相談できるカウンセラーを、会社として用意したい」「でも、何から決めればいいのか分からない」。こうした声は、産業医や保健師がいない会社の経営者や人事・総務のご担当者から多く聞かれます。
企業カウンセリングとは、会社が費用を負担して、社員が心理の専門家に相談できるようにするしくみです。社内にカウンセラーを置く方法もあれば、外部の専門機関と契約する方法もあり、会社の規模によって向いている形が変わります。
結論から言うと、従業員30〜100人ほどの会社なら、社内にカウンセラーを置くより外部の専門機関と契約するほうが始めやすく、成否を分けるのは「相談しても会社に伝わらない」というルールを最初に決めて伝えられるかどうかです。この記事では、厚生労働省の指針や調査をもとに、社員向けカウンセリングを導入する実務を、形態の選び方、導入の流れ、利用を増やす工夫、守秘の注意点の順に整理しました。
この記事でわかること
- 企業カウンセリングで社員が相談できることと、企業カウンセラーの資格
- 社内に置く・外部と契約するなど、導入形態の違いと選び方
- 社員カウンセリングを導入するまでの6つのステップ
- 「使われない窓口」にしないための周知と工夫
- 守秘義務と個人情報の扱いで会社が気をつけること
企業カウンセリングとは?会社が用意する社員の相談先
まず、企業カウンセリングがどんなもので、誰が相談に乗るのかを確認しておきましょう。似た言葉が多いため、ここを整理しておくと導入の判断がしやすくなります。
企業カウンセリングで社員が相談できること
企業カウンセリングは、社員が仕事や生活の悩みを、心理の専門家に話せる場です。病気を診断したり治療したりする場ではなく、話を聴いてもらいながら、本人が気持ちや状況を整理し、自分で対処の道すじを見つけることを支えます。
相談の内容は、仕事の悩みに限りません。会社によって範囲は異なりますが、主に次のようなテーマが対象になります。
- 仕事の量や責任の重さ、職場の人間関係
- 上司や部下とのコミュニケーション
- 異動や昇進、キャリアの迷い
- 家族の介護や子育て、夫婦関係など家庭の悩み
- 眠れない、気分が落ち込むといった心身の不調の入り口
仕事以外の相談も受け付けておくと、社員は「こんなことを話していいのだろうか」と迷わずにすみます。
なお、キャリアの相談を中心にしたい場合は、職業選択や能力開発の相談を専門とする国家資格「キャリアコンサルタント」が対応する企業内のキャリアカウンセリングという選択肢もあります。心の不調の相談とは得意分野が異なるため、目的に合わせて選びます。
企業カウンセラーとは?主な資格と産業カウンセラーとの違い
「企業カウンセラー」は特定の資格の名前ではなく、企業で社員の相談を担うカウンセラーを広く指す呼び方です。よく似た「産業カウンセラー」は民間団体が認定する資格の名前で、企業カウンセラーとして働く人が持つ資格の一つにあたります。企業カウンセラーには、主に次のような資格を持つ人がいます。
- 公認心理師:2017年に始まった心理職の国家資格。法律で秘密保持の義務が定められている
- 臨床心理士:民間団体が認定する心理職の資格。医療や教育の現場で広く活躍している
- 産業カウンセラー:民間団体が認定する資格。働く人の悩みへの対応やキャリア支援を学んだ人が持つ
- 精神保健福祉士:精神保健の分野を担う国家資格。生活や制度の面からの支援にも強い
「カウンセラー」という名称そのものは、資格がなくても名乗れます。会社として相談先を用意するなら、どの資格を持つ人が対応するのかを必ず確認しましょう。
産業医や医師の面接指導との違い
産業医は、会社の健康管理について医学の立場から助言する医師です。ストレスチェックで高ストレスと判定された人の面接指導や、長時間労働をした人の面接指導も、医師が行います。
これらは、会社が就業上の措置(残業を減らす、業務を調整するなど)を判断するための手続きです。そのため、面接の結果は会社に伝わる前提で進みます。
一方、企業カウンセリングは、社員本人のための相談の場です。内容は原則として会社に伝わりません。役割が違うため、どちらか一方で済ませるのではなく、両方を組み合わせて考えるのが基本です。
会社がカウンセリングを導入する理由
なぜ、会社が費用をかけてまで社員のカウンセリングを用意するのでしょうか。国の調査と指針から、その理由を見ていきます。
社員の悩みは「家族・友人」と「上司」に集まっている
厚生労働省が2026年8月に公表した「令和7年 労働安全衛生調査(実態調査)」では、仕事や職業生活で強い不安、悩み、ストレスを感じている労働者は67.5%でした。
ストレスを相談できる人がいる労働者は94.8%と多い一方、相談できる相手として多いのは「家族・友人」(74.8%)と「上司」(63.8%)です。
家族や上司は身近で心強い相談相手ですが、仕事の悩みを家族に話しきれない人や、悩みの原因が上司との関係にある人もいます。社内の人間関係から離れた専門家に話せる場は、こうした人の受け皿になります。
国の指針も「相談しやすい環境」を求めている
厚生労働省の「労働者の心の健康の保持増進のための指針」(メンタルヘルス指針)は、会社が進めるメンタルヘルスケアを4つに分けています。社員自身による「セルフケア」、上司による「ラインによるケア」、社内の産業保健スタッフによるケア、そして社外の機関や専門家を活用する「事業場外資源によるケア」です。
指針では、会社は社内に相談に応じる体制を整える、社外の相談機関を活用するなどして、社員が自ら相談できる環境を整えるものとされています。また、社員が社内での相談を望まない場合にも、社外の資源を使うことが効果的だとしています。4つのケア全体の中でカウンセリングをどう位置づけるかは、職場のメンタルヘルス対策の全体像で整理しています。
ストレスチェックの「後」の受け皿になる
ストレスチェックで高ストレスと判定されても、医師の面接指導を申し出る人は多くありません。「会社に結果が伝わるのが不安」「医師に会うほどではない」と感じる人もいるためです。
指針も、相談体制はストレスチェックの結果を受け取った社員に対して、相談の窓口を広げ、相談しやすい環境をつくるために重要だと述べています。会社に知られずに話せるカウンセリングがあれば、不調の早い段階で支援につながりやすくなります。医師の面接指導そのものの進め方は、ストレスチェックの面接指導の手順を参考にしてください。
社員向けカウンセリングの導入形態
会社として企業カウンセラーを用意する方法は、大きく3つに分かれます。それぞれの特徴と、従業員30〜100人ほどの会社での選び方の目安を整理します。
社内にカウンセラーを置く
カウンセラーを社員として雇う、または週に何日か来てもらう契約を結び、社内にカウンセリングルーム(相談室)を設ける方法です。
- 社内の事情を理解したうえで相談に乗ってもらえる
- 管理職への助言や研修など、組織への働きかけも頼みやすい
- 人件費や相談室の確保など、固定の負担が大きい
- 「社内の人に話すと会社に伝わるのでは」と社員が警戒しやすい
カウンセリングルームを設けるなら、出入りが人目につきにくい場所を選び、話し声が外に漏れないようにすることが欠かせません。30〜100人の会社では、相談の件数に対して負担が重くなりがちです。
外部の専門機関と契約する
カウンセリングを提供する外部の専門機関と契約し、社員がそこに直接相談する方法です。対面、電話、オンラインなど、相談の方法は契約先によって異なります。
- 社員は社外の専門家に話せるため、心理的なハードルが低い
- オンラインカウンセリングに対応した契約先なら、移動の手間がなく、職場の人に会わずに相談できる
- 必要な分だけ契約しやすく、小さな会社でも始めやすい
- 夜間や休日、在宅勤務の社員など、相談の時間と場所を選ばない形も選べる
- 会社の事情は伝わりにくいため、窓口となる担当者を決めて連携する必要がある
外部の機関が、相談だけでなく研修や復職支援まで含めたプログラムとして提供するものは、EAP(従業員支援プログラム)と呼ばれます。プログラムの中身や中小企業での選び方は、EAP(従業員支援プログラム)とはにまとめています。
公的な無料の相談窓口を案内する
費用をかけずに始めるなら、公的な相談窓口を社員に案内する方法もあります。
- こころの耳の相談窓口:厚生労働省の働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」による、電話・SNS・メールの無料相談
- 地域産業保健センター:従業員50人未満の事業場は、医師や保健師による健康相談を無料で利用できる
ただし、公的な窓口は会社の事情に合わせた対応や、継続した相談の予約などはできません。まずの入り口として案内しつつ、会社としての相談先も検討しておくと安心です。窓口の一覧はこころの耳「相談窓口案内」で確認できます。
30〜100人の会社の選び方の目安
産業医や保健師がいない会社では、次の考え方で選ぶと迷いにくくなります。
- 相談の件数が読めないうちは、社内に置くより外部と契約するほうが負担が小さい
- 拠点が分かれている、在宅勤務が多い会社は、オンラインや電話で相談できる形を選ぶ
- 予算がまだ取れない場合は、公的窓口の案内から始め、次年度に外部契約を検討する
- いずれの形でも、社内で窓口となる担当者は1人決めておく
外部のカウンセリングと社内の窓口は、役割を分けて両方置くのが理想です。社内の窓口が形だけにならないための工夫は、社内相談窓口が使われない理由と改善策で紹介しています。
企業カウンセリングの料金の考え方
企業カウンセリングの料金は、導入形態によって費用のかかり方が変わります。金額は委託先や契約内容によって幅が大きいため、ここでは見積もりを比べるときの考え方を整理します。
- 社内に置く場合:カウンセラーの人件費または契約料と、相談室の確保などの固定費がかかる
- 外部と契約する場合:社員1人あたりの月額で決まる契約と、相談1回ごとに費用がかかる契約がある
- 公的な窓口を案内する場合:費用はかからないが、会社に合わせた対応はできない
利用が少ないうちは相談1回ごとの契約、利用が増えてきたら1人あたり月額の契約が割安になりやすい、というように、想定する利用件数で比べると判断しやすくなります。見積もりでは、相談の回数の上限や、研修・管理職への助言が料金に含まれるかもあわせて確認しましょう。会社が負担した費用を福利厚生費として扱うときの考え方は、福利厚生でカウンセリングを導入するときの種類・費用・選び方で取り上げています。
社員カウンセリング導入の流れ
ここからは、外部の専門機関と契約する場合を中心に、社員カウンセリングを導入するまでの流れを6つのステップで紹介します。
ステップ1:導入の目的と対象者を決める
最初に「何のために導入するのか」を言葉にしておきます。目的があいまいなままだと、委託先を比べる基準も、社員への説明もぶれてしまいます。
- 不調の早期発見(高ストレスの人や、悩みを抱えた人の受け皿にしたい)
- 休職や離職の予防
- ハラスメントや人間関係の悩みを社外で受け止めたい
- 社員の家族の悩みにも対応したい
あわせて、対象を正社員だけにするか、パートや契約社員、社員の家族まで含めるかも決めます。
ステップ2:導入形態と予算の枠を決める
前の章の内容をふまえて、社内に置くか、外部と契約するか、公的窓口の案内から始めるかを決めます。予算は「社員1人あたりの月額」で決まる契約と「相談1回ごと」に決まる契約があるため、両方の見積もりを取れるように枠を決めておくと比べやすくなります。
ステップ3:委託先を比べる
外部と契約する場合は、相談の質と情報の守られ方の両方を確かめるために、次の点を確認します。
- 相談に乗る人の資格(公認心理師、臨床心理士など)と人数
- 相談の方法(対面、電話、オンライン、チャットなど)と受付時間
- 1回の相談時間と、1人が利用できる回数
- 相談内容の守秘と、会社に伝える情報の範囲
- 命に関わる緊急時の対応と、医療機関へのつなぎ方
- 利用状況の報告の形(個人が特定されない集計か)
- 社員への周知の資料を用意してくれるか
ステップ4:社内のルールを決める
導入前に、社内での扱いを決めておきます。後から変えると社員の不信感につながるため、最初に決めておくことが大切です。
- 勤務時間中に相談してよいか(よい場合は、勤怠の扱い)
- 会社が受け取る情報の範囲(利用人数など個人が特定されない集計のみ、など)
- 社内の窓口担当者と、その人が知り得た情報を誰にも伝えないこと
- 相談したことを理由に、評価や配置で不利益な扱いをしないこと
衛生委員会のある会社は委員会で話し合い、ない会社でも朝礼や会議などで社員の意見を聞いて決めると、納得感が高まります。
ステップ5:社員に知らせる
導入したことを、全社員に知らせます。伝え方の工夫は次の章で詳しく紹介します。社長や役員から「会社として相談を応援している」と一言添えると、利用のハードルが下がります。
ステップ6:利用状況を見て見直す
半年から1年ごとに、利用の件数やよく出る相談のテーマ(個人が特定されない形のもの)を確認し、周知の方法や契約の内容を見直します。
利用が少ないときは、知られていない、会社に知られるのが不安など、使われない理由がないかを確かめましょう。
6つのステップのうち、委託先選びで特に差が出るのが、相談に乗る人の資格、オンラインで相談できるか、会社に渡る情報の範囲の3点です。比べる材料の一つとして、サービス資料を手元に置いておくと検討が進めやすくなります。
資料ダウンロード
委託先比較の材料に。専門家に相談できるココロチェックの資料
会社のカウンセリングの利用を増やす工夫
社員向けのカウンセリングは、用意しただけでは使われにくいものです。せっかくの相談先を「使われない窓口」にしないための工夫を紹介します。
「会社には伝わらない」を最初にはっきり伝える
社員がいちばん気にするのは「相談したことが会社に知られないか」です。案内の最初に、次のことを明記しましょう。
- 相談したことも、相談の内容も、本人の同意なく会社に伝わらない
- 会社が受け取るのは、個人が特定されない利用状況の集計だけ
- 相談したことで、評価や配置が不利になることはない
相談のハードルを下げる案内文の例
「メンタルヘルス」「不調」という言葉だけで案内すると、「自分には関係ない」と感じる人が多くなります。社内に案内するときの文面の例です。
- 「仕事のこと、家族のこと、話す相手がいないと感じたら、気軽に使ってください」
- 「悩みが大きくなる前の、ちょっとしたモヤモヤの整理にも使えます」
- 「相談したことは会社に伝わりません。会社が知るのは利用人数だけです」
- 「上司や同僚には話しにくいことも、社外の専門家に相談できます」
一度で終わらせず、何度も知らせる
導入時に一度案内しただけでは、いざ悩んだときに思い出してもらえません。次のような場面で、くり返し知らせます。
- 入社時のオリエンテーション(新入社員や中途入社の社員は、慣れない環境で悩みを抱えやすい時期)
- ストレスチェックの結果を返すとき
- 異動や昇進、繁忙期の前
- 社内チャットの掲示や、休憩室・トイレへのカード設置
社員の家族も対象にした場合は、家族にも届く形で案内します。メンタルヘルス指針でも、家族へ相談窓口の情報を提供することが望ましいとされています。
管理職が勧めるときの注意
部下の様子が気になるとき、管理職からカウンセリングを勧めるのは有効です。ただし、「行きなさい」と指示する形は避けます。「こういう相談先もあるよ」と選択肢として伝え、利用したかどうかを確認したり、報告を求めたりしないようにしましょう。
守秘義務と個人情報の扱いで気をつけること
企業カウンセリングが信頼されるかどうかは、相談の内容がきちんと守られるかで決まります。会社として押さえておきたいルールを整理します。
カウンセラーの守秘義務
公認心理師は、公認心理師法で、正当な理由なく業務で知り得た人の秘密を漏らしてはならないと定められています。違反した場合は、1年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金の対象です。
民間資格のカウンセラーにも、所属する団体の倫理規程などで守秘が求められるのが一般的です。外部と契約する場合は、契約書に守秘と情報管理の取り決めが入っているかを確認しましょう。
会社が受け取ってよい情報
メンタルヘルス指針では、会社が社員の心の健康に関する情報を手に入れるときは、本人の同意が必要とされています。また、その情報を健康確保のための配慮以外の目的で使ってはならないとされています。
社員カウンセリングで会社が受け取る情報は、次のように線を引いておくと安全です。
- 受け取る:利用人数、相談テーマの傾向など、個人が特定されない集計
- 受け取らない:誰が相談したか、相談の内容
- 本人の同意がある場合のみ:仕事の調整などに必要な範囲の情報
少人数の会社では、部署ごとの集計でも個人が推測できてしまうことがあります。人数が少ない単位の集計は受け取らない、と決めておくと安心です。
命に関わるときの例外
指針では、社員の生命や健康を守るために緊急かつ重要と判断される場合は、本人の同意を得るよう努めたうえで、必要な範囲で情報を使うべき場合もあるとしています。
どんなときに、誰に、どう連絡するのかは、委託先とあらかじめ取り決めておきましょう。社内の連絡先(窓口担当者や経営者)を決めておくことも欠かせません。
相談を理由に不利益な扱いをしない
メンタルヘルス指針は、心の健康に関する情報を理由に、社員に不利益な扱いをしてはならないとしています。カウンセリングを利用したことや、相談で分かったことを理由に、評価を下げたり、配置を変えたりすることは避けなければなりません。
社内の窓口担当者が社員の相談を知る立場になる場合は、その人の守秘の範囲を社内のルールで決めておきます。指針の全文はこころの耳「メンタルヘルス指針」で確認できます。
ココロチェックで、社員が相談できる場所をつくる
社員向けのカウンセリングは、相談先を用意するだけでなく、組織の状態を知り、必要な人が安心して使える形にすることが大切です。ただ、資格を持つ専門家の確保や、会社に情報が渡らない仕組みづくりは、産業保健の担当者がいない会社が自前で整えるのは簡単ではありません。
ココロチェックは、産業保健の担当者がいない会社のための、法人向けメンタルヘルスサービスです。組織の状態を「測る」ところから、社員が専門家に相談して「癒す」ところまでを、一つのサービスで支えます。
- 組織の状態を測る:設問に答えるだけで、組織の状態と部署ごとの傾向がわかる組織診断を無料で用意しています。どの職場に相談先が必要かを考える手がかりになります
- 社員の相談先になる:公認心理師・臨床心理士などの専門家に、オンラインで1回30分から相談できます。拠点が分かれている会社や、在宅勤務の社員も使いやすい形です
- 人事に個人の情報は渡さない:会社が見られるのは組織単位の傾向だけで、誰が相談したかは本人の同意なく伝わりません
社員カウンセリングの導入を考え始めたら、まずは無料の組織診断で、自社の状態を確かめるところから始めてみませんか。
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設問に答えるだけで、組織の状態と部署ごとの傾向がわかります。カウンセリング導入の優先度を考える材料にお使いください。
企業カウンセリングのよくある質問
最後に、企業カウンセリングの導入について、人事・総務のご担当者からよく寄せられる質問にお答えします。
Q. 会社でカウンセリングを受けたら、内容は会社に伝わりますか?
原則として伝わりません。カウンセラーには守秘が求められ、メンタルヘルス指針でも、会社が社員の心の健康に関する情報を得るには本人の同意が必要とされています。ただし、命に関わる緊急の場合などは例外があるため、扱いを事前に委託先と取り決め、社員にも伝えておきましょう。
Q. 企業カウンセラーにはどんな資格が必要ですか?
「カウンセラー」と名乗るために必須の資格はありません。会社として相談先を選ぶなら、国家資格の公認心理師や、臨床心理士、産業カウンセラーなど、どの資格を持つ人が対応するのかを確認することをおすすめします。
Q. 従業員が少ない会社でも、カウンセリングは導入できますか?
導入できます。社内にカウンセラーを置くのは負担が大きくても、外部の専門機関と契約する方法なら、少人数の会社でも始めやすくなります。予算がまだ取れない場合は、こころの耳の無料相談や地域産業保健センターの案内から始める方法もあります。
Q. 産業医がいれば、カウンセラーは必要ありませんか?
役割が違うため、両方あると安心です。産業医は医学の立場から会社に助言し、面接指導の結果は就業上の措置のために会社に伝わります。カウンセラーは社員本人の相談の場で、内容は原則として会社に伝わりません。産業医がいない50人未満の会社は、地域産業保健センターで医師や保健師による健康相談を無料で受けられます。頼めることと申込手順は地域産業保健センターの使い方にまとめています。
Q. 企業カウンセリングの料金はどう決まりますか?
社内にカウンセラーを置く場合は人件費や契約料、外部と契約する場合は社員1人あたりの月額か、相談1回ごとの料金で決まるのが一般的です。金額は委託先によって幅があるため、想定する利用件数と、回数の上限や研修が含まれるかをそろえて見積もりを比べましょう。
Q. 社員のカウンセリング利用を勤務時間中に認めるべきですか?
法律で決まっているわけではありませんが、勤務時間中の利用を認めると、相談のハードルが下がります。認める場合は、勤怠の扱いと、上司に理由を伝えなくても利用できる手順をあわせて決めておきましょう。
まとめ:企業カウンセリングは「使われる形」で導入する
企業カウンセリングの導入について、要点を振り返ります。
- 企業カウンセリングは、社員が心理の専門家に相談できるしくみで、国の指針も社外の資源を含めた相談体制づくりを求めている
- 30〜100人の会社では、社内に置くより外部と契約するほうが始めやすく、資格・守秘・緊急時の対応を比べて選ぶ
- 「会社に伝わらない」ことを最初に約束し、くり返し知らせることで、使われる相談先になる
社員が悩みを抱えたとき、話せる場所があるかどうかは、本人にとっても会社にとっても大きな違いになります。形だけの窓口で終わらせず、安心して使える相談先を整えていきましょう。どの部署で悩みが大きくなっているかを先に知っておくと、周知の重点や契約の規模も決めやすくなります。
カウンセリング導入の前に、職場の状態を無料で診断
無料の組織診断で、部署ごとのストレスの傾向がわかります。社員の相談先をどう整えるか考える出発点にどうぞ。
