EAPとは?従業員支援プログラムの内容・費用・中小企業の選び方

EAPとは?従業員支援プログラムの内容・費用・中小企業の選び方

「EAPという言葉を聞くけれど、結局どんなサービスなの?」「大企業向けのもので、うちのような規模では関係ないのでは?」。社員のメンタルヘルスが気になり始めた経営者や人事・総務のご担当者から、よく聞かれる疑問です。

EAP(従業員支援プログラム)は、社員が仕事や私生活の悩みを、社外の専門家に相談できるようにするしくみです。厚生労働省の指針でも、メンタルヘルス対策の柱の一つである「事業場外資源によるケア」の手段として位置づけられています。産業医や保健師がいない中小企業にとっては、むしろ社内に足りない部分を補う選択肢になります。

この記事では、公的な資料をもとに、EAPの意味とできること、費用の考え方、選び方と導入の流れを、従業員30〜100人ほどの会社の目線で整理しました。

この記事でわかること

  • EAPとは何か、従業員支援プログラムの意味と目的
  • EAPサービスでできることと、内部EAP・外部EAPの違い
  • 中小企業にEAPが必要かを考える目安
  • EAPの費用の考え方と、サービスの選び方
  • EAPを導入する流れと、入れるときの注意点
目次

EAPとは?従業員支援プログラムの意味と目的

まず、EAPがどんなしくみで、何のために置くものなのかを確認しておきましょう。言葉の意味と、国の指針での位置づけを押さえると、自社に必要かどうかを判断しやすくなります。

EAPとは(Employee Assistance Program)

EAPは何の略かというと、「Employee Assistance Program」です。日本語では「従業員支援プログラム」と訳されます。厚生労働省の働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」の用語解説でも、社外の資源を使うケアの手段の一つで、カウンセリングなどを行うメンタルヘルスの支援サービスとして紹介されています(こころの耳「EAP」の用語解説)。

もともとはアメリカで、従業員の飲酒の問題などに職場として対応する取り組みから広がったとされます。現在の日本では、主に心の健康に関する相談を、会社が費用を負担して社外の専門家に頼める福利厚生のしくみとして使われています。

EAPの目的

EAPの目的は、社員が抱える悩みを、仕事への影響が大きくなる前に支えることです。悩みの種は、仕事の量や人間関係だけではありません。家族の介護や子育て、お金、体調など、私生活の問題が仕事に響くことも多くあります。

こうした悩みは、上司や人事には話しにくいものです。社外の専門家に、会社に知られずに相談できる窓口があると、社員は早い段階で助けを求めやすくなります。会社にとっては、不調による休職や離職を防ぎ、職場の状態を把握する手がかりにもなります。

国の指針での位置づけ

厚生労働省の「労働者の心の健康の保持増進のための指針」(メンタルヘルス指針)は、職場のメンタルヘルス対策を次の4つのケアで進めるよう求めています。

  • セルフケア:社員が自分でストレスに気づき、対処する
  • ラインによるケア:管理職が職場環境の改善や部下の相談対応を行う
  • 事業場内産業保健スタッフ等によるケア:社内の産業医・保健師や人事労務の担当者が対策を進め、社員と管理職を支える
  • 事業場外資源によるケア:社外の機関や専門家を活用し、その支援を受ける

EAPは、このうち4つ目の「事業場外資源によるケア」にあたります。指針は、社員が社内での相談を望まない場合にも事業場外資源の活用が効果的だとしています。4つのケアの全体像は、こころの耳「メンタルヘルス対策(心の健康確保対策)に関する施策の概要」で確認できます。4つのケアを自社でどう組み合わせるかは、職場のメンタルヘルス対策の進め方と4つのケアにまとめています。

EAPの役割:社内の相談体制を補う

EAPの役割は、社内の相談体制の「代わり」ではなく「補い」です。上司や人事が受け止める相談、産業医や地域の公的機関が担う医学的な対応はそのまま残し、そこに「社内の人には話しにくい悩み」を受け止める社外の窓口を足す、と考えると位置づけがはっきりします。

EAPサービスでできること

「EAPサービス」と一口にいっても、提供される内容は事業者によって幅があります。ここでは、多くのEAPサービスに共通する主な内容を整理します。

社員向けの相談窓口

中心になるのは、社員が個人で使える相談窓口です。公認心理師や臨床心理士などの心理の専門家が、電話、オンライン、対面、メールやチャットなどで相談に応じます。

相談できる内容は、仕事のストレスや人間関係のほか、家族や私生活の悩みまで幅広いのが一般的です。サービスによっては、社員の家族も相談できるものがあります。

管理職・人事向けの相談(マネジメントコンサルテーション)

EAPの用語で「マネジメントコンサルテーション」と呼ばれるのが、管理職や人事からの相談です。「部下の様子が最近おかしい」「休みがちな社員にどう声をかければいいか」といった、管理職や人事からの相談に応じるサービスもあります。社内に産業医や保健師がいない会社では、こうした場面で判断に迷ったときに相談できる相手がいること自体が助けになります。

研修や情報提供

社員向けのセルフケア研修、管理職向けのラインケア研修、社内報に載せる情報の提供なども、EAPのメニューに含まれることがあります。

休職・復職や緊急時のサポート

休職中の社員との連絡のとり方や、職場復帰に向けた段取りについて助言するサービスもあります。また、職場で事故や災害、急な訃報などがあった際に、社員の心のケアを手伝うメニューを用意しているところもあります。

ただし、EAPの相談は医療機関での診断や治療の代わりにはなりません。医療が必要と考えられる場合は、相談の中で医療機関の受診をすすめるのが一般的な流れです。

EAPの利用の具体例

実際の使われ方をイメージしやすいよう、中小企業でよくある場面を挙げます。

  • 親の介護と仕事の両立に悩む社員が、夜にオンラインで相談し、気持ちと使える制度を整理できた
  • 眠れない日が続く社員が、相談の中で受診をすすめられ、早めに医療機関にかかった
  • 部下の欠勤が増えた管理職が、声のかけ方と人事へのつなぎ方を相談した
  • 繁忙期の後、利用状況の報告で特定の部署に相談が集中していることがわかり、業務分担を見直した

ハラスメントの相談とEAPの関係

EAPの相談窓口で、ハラスメントで傷ついた社員の気持ちを受け止めることはできます。ただし、パワハラなどの相談窓口は法律で会社に設置が義務づけられており、相談を受けた後の事実確認や措置は会社が行う必要があります。EAPを入れても、ハラスメントの窓口と対応の流れは別に決めておきましょう。義務としての窓口の作り方は、ハラスメント相談窓口の設置義務と対応手順で解説しています。

内部EAPと外部EAPの違い

EAPには、社内に専門家を置く「内部EAP」と、社外の事業者に頼む「外部EAP」があります。どちらを選ぶかで、費用も、社員にとっての使いやすさも変わります。

内部EAP

内部EAPは、心理職などの専門家を社員として雇ったり、社内に常駐してもらったりして、社内に相談室を設ける形です。

  • 社内の事情や職場の雰囲気をよく知ったうえで支援できる
  • 人事や産業医と連携しやすい
  • 専門家の人件費が継続してかかる
  • 社内の人に相談することに抵抗を感じ、利用をためらう社員が出やすい

外部EAP

外部EAPは、EAPサービスを提供する社外の事業者と契約し、社員が社外の窓口に相談する形です。

  • 相談先が社外にあるため、会社に知られずに相談しやすい
  • 専門家を雇わずに、必要な範囲だけ利用できる
  • 会社の細かい事情までは把握していないため、社内との連携の工夫が必要
  • 事業者によって内容や情報の扱いが異なるため、契約前の確認が欠かせない

中小企業は外部EAPが現実的

従業員30〜100人ほどの会社で、心理の専門家を社内に雇うのは、費用の面でも、相談件数の面でも現実的ではないことが多いでしょう。少人数の職場ほど「誰が相談したか」が周りに伝わりやすいことを考えても、社外の窓口を使う外部EAPのほうが、社員にとって使いやすい選択になります。

EAPは中小企業にも必要?導入を考える目安

EAPは大企業のもの、という印象を持たれがちです。しかし、社内に相談できる専門職がいない中小企業ほど、社外の相談先の意味は大きくなります。

規模が小さい職場ほど対策が手薄になりやすい

厚生労働省の「令和7年 労働安全衛生調査(実態調査)」によると、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は全体で63.0%でした。規模別に見ると、労働者50人以上の事業所が93.7%なのに対し、30〜49人の事業所は72.0%、10〜29人の事業所は54.6%にとどまっています(厚生労働省「令和7年 労働安全衛生調査(実態調査)結果の概況」)。

50人以上の事業場には産業医の選任義務がありますが、50人未満では義務がありません。産業医も保健師もいない会社では、社員が不調を感じても、社内に相談できる専門職がいないのが実情です。

導入を考えたいサイン

次のような状況にあてはまるなら、EAPのような社外の相談先を検討する時期かもしれません。

  • 産業医や保健師がおらず、社員の健康の相談を人事や総務が一人で受けている
  • メンタルヘルス不調による休職や、理由がはっきりしない退職が続いた
  • ストレスチェックで高ストレスの人がいても、医師の面接を申し出る人がほとんどいない
  • 管理職から「部下への接し方がわからない」という声が出ている
  • 社員から「社内の人には相談しにくい」という声を聞く

公的な無料の窓口もあわせて知っておく

50人未満の事業場では、地域産業保健センター(地さんぽ)で、医師による面接指導や健康相談を無料で受けられます。申込の手順は地域産業保健センターの使い方を参考にしてください。EAPは公的な窓口の代わりではなく、社員がもっと日常的に、気軽に相談できる窓口を足すもの、と考えると整理しやすくなります。

EAPの費用と料金体系

導入を考えるうえで、多くの方が気になるのが費用です。EAPの費用には公的な統計や基準がなく、事業者やサービス内容によって大きく異なります。ここでは、金額を比べる前に押さえておきたい考え方を整理します。

主な料金の型

EAPの料金体系は、おおむね次のような型に分かれます。

  • 定額型:社員数に応じて、月額や年額の固定料金を払う。相談回数の上限が決まっている場合が多い
  • 従量型:相談が実際に使われた回数や時間に応じて払う。基本料金と組み合わせることが多い
  • 組み合わせ型:相談窓口は定額、研修や管理職向けの相談などはオプションで追加する

費用が変わる要素

同じ「EAP」でも、次のような要素で金額が変わります。

  • 対象にする人数(社員のみか、家族も含めるか)
  • 相談の方法(電話、オンライン、対面、チャット)と受付時間
  • 1人あたりの相談回数の上限
  • 管理職や人事向けの相談、研修、休職・復職の支援を含めるか
  • 利用状況の報告や、組織の状態を把握する調査がついているか

少人数の会社は「総額」と「含まれる範囲」で比べる

EAPは社員数が多いほど1人あたりの単価が下がりやすく、少人数の会社では最低料金が設定されていることもあります。従業員30〜100人ほどの会社は、1人あたりの単価だけでなく、年間の総額と、その中に何が含まれているかで比べるのがおすすめです。

見積もりを取るときは、「相談回数の上限を超えたらどうなるか」「家族の利用は追加料金か」「報告書は別料金か」を必ず確認しておきましょう。

EAPサービスの選び方と企業一覧の見方

「EAP 企業一覧」などで探すと、多くの事業者が見つかります。比べるときは、提供元の違いと、確認すべき項目を押さえておくと迷いにくくなります。

提供元のタイプ

EAPサービスの提供元は、おおむね次のようなタイプに分けられます。

  • EAPを専門に扱う事業者:相談窓口から研修、休職・復職の支援まで幅広く扱うことが多い
  • 健診や産業保健のサービスを提供する事業者:健康診断やストレスチェックとセットで提案されることが多い
  • 福利厚生サービスの一部として提供する事業者:ほかの福利厚生とまとめて導入できる
  • オンラインでの相談を中心とする事業者:スマートフォンやパソコンから相談でき、少人数でも始めやすいものがある

一覧の知名度や掲載順ではなく、自社の困りごとに合うかで比べましょう。研修や復職支援までは求めず、まず社員の相談先だけを用意したい会社には、福利厚生としてカウンセリングを導入する方法も選択肢になります。

比較するときのチェック項目

メンタルヘルス指針は、事業場外資源を使う場合、サービスを適切に実施できる体制や、情報管理が適切に行われる体制が整っているかを事前に確認することが望ましいとしています。具体的には、次の点を確認しましょう。

  • 相談員の資格:公認心理師、臨床心理士など、どんな専門家が対応するか
  • 相談のしやすさ:相談方法、受付時間、予約の取りやすさ。オンラインで完結するか
  • 個人情報の扱い:会社に何が報告されるか。個人が特定される情報は本人の同意なく伝わらないか
  • 医療機関へのつなぎ方:医療が必要と考えられるときに、どう案内してくれるか
  • 緊急時の対応:命に関わるおそれがある相談を受けたとき、どう対応する決まりになっているか
  • 会社へのフィードバック:利用状況や組織の傾向を、個人が特定されない形で報告してくれるか

EAPを導入する流れ

ここからは、中小企業がEAPを導入するときの進め方を、順番に見ていきます。最初の取り決めと社内への伝え方で、使われるかどうかが大きく変わります。

ステップ1:目的と困りごとを整理する

「休職を減らしたい」「管理職の相談先がほしい」「ストレスチェックの後の受け皿がほしい」など、EAPで何を解決したいのかを書き出します。目的がはっきりすると、必要なメニューと比べるべき事業者が絞れます。

ステップ2:社内の意見を聞き、予算を決める

社員や管理職に、どんな相談先なら使いたいかを聞いてみます。50人未満で衛生委員会がない会社でも、メンタルヘルス指針は、対策を進めるときに労働者の意見を反映させることを求めています。あわせて、年間の予算の上限を決めておきましょう。

ステップ3:複数の事業者を比べて契約する

2〜3社から見積もりと資料を取り、前の章のチェック項目で比べます。契約の前に、会社に報告される情報の範囲を書面で確認しておくと安心です。

ステップ4:社員に周知する

導入したことを、社内のメールやチャット、掲示、朝礼などで繰り返し伝えます。「相談したことは会社に伝わらない」「家族の悩みでも相談してよい」など、社員が気にする点をはっきり書くのがポイントです。

ステップ5:利用状況を見て見直す

半年から1年ごとに、利用状況の報告を見て、周知の方法やメニューを見直します。利用が少ないときは、管理職や人事がまず試しに使ってみて、使い心地を社内に伝えるのも一つの方法です。社内にすでに窓口がある会社は、社内相談窓口が使われない理由と改善策もあわせて読むと、社内と社外の役割分担を決めやすくなります。

ここまでの手順で難しいのは、ステップ3で「相談員の資格」「会社に伝わる情報の範囲」「緊急時の対応」を、事業者ごとに同じ物差しで比べることです。比較の材料の一つとして、社外の相談先に求められる条件をまとめたサービス資料もご用意しています。

資料ダウンロード

社外の相談先を比べるときに。ココロチェックのサービス資料

EAP導入の注意点

EAPは、契約しただけで職場のメンタルヘルスが良くなるものではありません。導入の前に知っておきたい注意点を4つ紹介します。

入れただけでは使われない

EAPを導入しても、社員が存在を知らなければ使われません。入社時の案内、定期的な社内での告知、ストレスチェックの結果を返すときの案内など、目にふれる機会を何度もつくることが大切です。

個人情報の取り決めを先に決める

社員がいちばん心配するのは「相談した内容が会社に知られるのではないか」という点です。メンタルヘルス指針も、個人情報の保護への配慮は、社員が安心してメンタルヘルスケアに参加できるための条件だとしています。会社が受け取るのは個人が特定されない利用状況だけ、というルールを契約で決め、社員にも伝えておきましょう。

社外に任せきりにしない

指針は、事業場外資源に頼ることで、会社がメンタルヘルス対策を進める主体性を失わないよう留意すべきだとしています。EAPから届く利用状況や組織の傾向を、管理職の研修や職場の見直しに生かすのは会社の役割です。小規模な会社では、衛生推進者や安全衛生推進者などを社内の担当者にして、EAPとの窓口役を決めておくと進めやすくなります。

医師の面接指導や医療の代わりにはならない

EAPの相談は、ストレスチェックで高ストレスと判定された人への医師の面接指導や、医療機関での診断・治療の代わりにはなりません。医師の面接指導は産業医や地域産業保健センターに、治療は医療機関に、というように役割を分けて考えましょう。カウンセラーによる相談を社内の制度としてどう組み込むかは、企業カウンセリングの導入方法で、形態ごとの違いと守秘の注意点を整理しています。

ココロチェックで、中小企業でも社外の相談先を

EAPの考え方は、「社員が社外の専門家に、会社に知られずに相談できる」ことにあります。産業医も保健師もいない会社ほど、この社外の相談先があるかどうかが、不調に早く気づけるかを左右します。

ココロチェックは、産業保健の担当者がいない会社のための、法人向けメンタルヘルスサービスです。組織の状態を「測る」ところから、社員が専門家に相談して「癒す」ところまでを、一つのサービスで支えます。中小企業でも入れやすい、社外の相談先の一つとしてご検討ください。

  • 社員の相談先になる:公認心理師・臨床心理士などの専門家に、オンラインで1回30分から相談できます。社内の人には話しにくい悩みの受け皿になります
  • 人事に個人の情報は渡さない:会社が見られるのは組織単位の傾向だけで、誰が相談したかは本人の同意なく伝わりません
  • 組織の状態を測る:設問に答えるだけで、組織の状態と部署ごとの傾向がわかる組織診断を無料で用意しています

EAPを比べ始める前に、どの部署にどんな負担がかかっているのかがわかっていると、必要な相談の形や範囲を絞り込めます。まずは無料の組織診断で、自社にどんな支援が必要かを確かめてみませんか。

EAPを選ぶ前に、自社に必要な支援を確かめる

設問に答えるだけで、組織の状態と部署ごとの傾向がわかります。社外の相談先に何を求めるかを決める材料にお使いください。

EAPのよくある質問

最後に、EAPについて人事・総務のご担当者からよく寄せられる質問にお答えします。

Q. EAPとは何ですか?

EAPは「Employee Assistance Program」の略で、従業員支援プログラムと訳されます。社員が仕事や私生活の悩みを、社外の専門家などに相談できるようにするしくみで、厚生労働省の指針では「事業場外資源によるケア」の一つとして位置づけられています。

Q. EAPの導入は法律で義務づけられていますか?

EAPの導入そのものを義務づける法律はありません。ただし、メンタルヘルス指針は、社員が自ら相談できるよう、社内の相談体制の整備や社外の相談機関の活用などの環境整備を行うことを事業者に求めています。EAPは、その手段の一つです。

Q. EAPを利用したことは会社に知られますか?

一般的な外部EAPでは、誰が何を相談したかは、本人の同意なく会社に伝わらないしくみになっています。会社に報告されるのは、利用件数などの個人が特定されない情報が中心です。ただし扱いは事業者や契約によって異なるため、導入前に確認し、社員にも説明しておきましょう。

Q. 従業員が少ない中小企業でもEAPは導入できますか?

導入できます。社外の事業者に頼む外部EAPなら、専門家を雇わずに始められます。少人数の会社向けの料金体系や、オンラインで相談できるサービスもあるため、総額と含まれる範囲を比べて選ぶとよいでしょう。

Q. EAPとストレスチェックの違いは何ですか?

ストレスチェックは、法律にもとづいて年1回、社員のストレスの状態を調べる検査です。EAPは、社員が悩んだときにいつでも相談できる窓口です。ストレスチェックで気づいた不調を、EAPの相談につなげるという組み合わせ方がよく見られます。なお、いまは努力義務の50人未満の事業場も、2028年4月1日からストレスチェックの実施が義務になります。準備の進め方はストレスチェック義務化の対象と準備で解説しています。

まとめ:EAPは「社外の相談先」を持つ中小企業の選択肢

EAPについて、要点を振り返ります。

  • EAP(従業員支援プログラム)は、社員が社外の専門家に悩みを相談できるしくみで、国の指針の「事業場外資源によるケア」にあたる
  • 産業医や保健師がいない中小企業ほど、社外の相談先の意味は大きく、外部EAPが現実的な選択になる
  • 費用は事業者や内容で大きく異なるため、総額と含まれる範囲、個人情報の扱いを確かめてから選ぶ

EAPは、社員が「困ったときに頼れる場所がある」と思える職場をつくるための一つの手段です。公的な無料の窓口とあわせて、自社に合う相談先を用意しておきましょう。

どんな相談先が合うかは、職場の状態によって変わります。導入を決める前に、いまの組織の状態を一度確かめておくと、遠回りを防げます。

社外の相談先を選ぶ前に、無料の組織診断を

部署ごとの負担の偏りがわかると、EAPに求める相談の範囲を決めやすくなります。まずは自社の今を確かめてみてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

はたらくこころ研究所 編集部のアバター はたらくこころ研究所 編集部 運営:株式会社remental

はたらくこころ研究所は、株式会社remental が運営する、職場のメンタルヘルスの情報メディアです。編集部では、産業医や保健師などの産業保健の担当者がいない会社で人事・総務・経営を担う方に向けて、ストレスチェック、休職・復職、ハラスメント対策、管理職のラインケアなどの実務をまとめています。
法令や制度に関する記事は、厚生労働省など公的機関が公表している情報をもとに作成し、制度の改正にあわせて見直しています。

目次