「採用しても定着しない」「辞める理由がよく分からないまま、また求人を出している」。従業員30〜100人の会社では、一人の退職が現場の回り方や採用の費用に大きく響きます。それでも、離職防止に何から手をつければよいか分からない、という声は少なくありません。
離職防止とは、社員が辞めずに働き続けられるよう、辞める理由になりやすいところへ先回りして手を打つ取り組みです。厚生労働省の最新の雇用動向調査を見ると、転職者が前職を離れた理由として多いのは、収入、職場の人間関係、労働時間や休日といった条件です。いずれも制度や上司の接し方しだいで改善できる余地があります。離職防止の基本は、辞める理由をデータで確かめ、入社前から退職の申し出の前までの打ち手を、順番を決めて重ねていくことです。
この記事では、離職の主な理由、離職率の計算と業界平均の調べ方、打ち手の全体像、離職率が低い会社の共通点、中小企業が最初にやる順番、離職防止ツールの選び方までを、公的な統計をもとにまとめました。
この記事でわかること
- 離職防止とリテンションマネジメントの意味
- 雇用動向調査で見る、人が辞める主な理由(2025年の数字)
- 離職率の計算の仕方と、業界平均の調べ方
- 離職防止の打ち手の全体像と、離職率が低い会社の共通点
- 中小企業が離職率を下げるために最初にやる順番と、離職防止ツールの選び方
離職防止とは?リテンションマネジメントの意味
まず、離職防止とリテンションマネジメントの意味を確認しましょう。
離職防止の意味と言い換え
離職防止は、社員の自発的な退職を減らし、人材の定着を図る取り組みの総称です。「定着支援」「定着率の向上」と言い換えられることも多く、英語では「retention(リテンション)」が近い言葉です。
離職防止は「辞めると言った人を引き止めること」ではありません。退職の申し出は、本人の迷いが終わった後に出てくるのがふつうです。中心になるのは、申し出のずっと前に不満や負担を小さくしておくことです。
リテンションマネジメントとは
リテンションマネジメントとは、人材を自社に引きつけ、長く活躍してもらうための人事管理の考え方です。採用、配置、育成、評価、報酬、働き方、職場の人間関係を、定着という目的から一体で設計する点に特徴があります。
離職防止が「辞める人を減らす」という結果を指すのに対し、リテンションマネジメントは「働き続けたいと思える状態をつくる」仕組みを指す言葉です。中小企業なら大がかりな制度は要りません。
中小企業ほど離職防止が経営課題になる理由
従業員50人の会社で一人が辞めると、戦力の2%が一度に抜け、求人広告や面接、入社後の教育の手間がもう一度かかります。自社の数字で目安をつかみたいときは、離職コスト計算ツールで試算できます。
離職の主な理由:雇用動向調査で見る、人が辞める理由
打ち手を選ぶ前に、人が実際にどんな理由で辞めているのかを公的な統計で確かめましょう。経営者の想像とずれていることがよくあります。
転職者が前職を辞めた理由は、収入・人間関係・労働条件が上位
厚生労働省の令和7(2025)年雇用動向調査(2026年8月公表)は、2025年中に転職して入職した人に、前職を離れた理由をたずねています。「その他の個人的理由」「その他の理由(出向等を含む)」を除いた主な回答は次のとおりです。
- 男性:「定年・契約期間の満了」16.1%、「給料等収入が少なかった」9.9%、「職場の人間関係が好ましくなかった」8.9%、「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」8.5%、「会社の将来が不安だった」6.9%
- 女性:「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」12.9%、「職場の人間関係が好ましくなかった」11.5%、「給料等収入が少なかった」8.6%
定年や契約満了を除くと、男女とも収入、人間関係、労働条件の3つが上位を占めます。
同じ調査で離職率を理由別に見ると、結婚や出産・育児、介護・看護を含む「個人的理由」が10.2%、経営上の都合などの「事業所側の理由」は0.9%でした。離職の大半は本人の判断による退職です。だからこそ、本人が「辞めよう」と決める前の働き方や関係性に、会社が手を入れる余地があります。
若い世代ほど、労働条件と人間関係の比重が大きい
20〜24歳の転職者に限ると、男性は「給料等収入が少なかった」13.8%、「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」12.4%、「職場の人間関係が好ましくなかった」10.3%、女性は「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」18.8%、「職場の人間関係が好ましくなかった」10.3%が上位でした。新卒・若手に絞った理由と対策は、若手社員の離職理由と会社ができる対策で掘り下げています。
メンタルヘルス不調による休業・退職も身近な問題
厚生労働省の令和7年労働安全衛生調査(実態調査)(2026年8月公表)によると、仕事で強いストレスを感じている労働者は67.5%にのぼり、原因として多いのは仕事の量と、仕事の失敗や責任の発生(いずれも39.5%)でした。
また、メンタルヘルス不調で1か月以上休んだ人や退職した人が、この1年間に出た事業所は13.5%ありました。「人間関係」や「労働条件」という離職理由の背景に、心身の不調が隠れていることもあります。離職防止とメンタルヘルス対策は切り離さずに考えましょう。
離職率の計算方法と業界平均の調べ方
離職防止の効果を確かめるには、自社の離職率を同じ方法で出し続けることが欠かせません。計算式と、比べる相手になる業界平均の調べ方を紹介します。
離職率の計算式
雇用動向調査では、離職率を次の式で出しています。
- 離職率(%)= 1年間の離職者数 ÷ 1月1日現在の常用労働者数 × 100
例えば、1月1日時点で社員が50人いて、その年に6人が辞めた場合、離職率は12.0%です。分母を年間の平均人数にする会社もありますが、年ごとや業界平均と比べるときは式をそろえておきましょう。
業界平均は雇用動向調査の産業別の数字で調べる
全国平均と比べるときは、雇用動向調査が基本の資料です。2025年の離職率は全体で13.7%(前年は14.2%)、一般労働者は11.4%、パートタイム労働者は19.9%でした。業界ごとの平均は、同じ調査の「結果の概況」にある産業別の表で確認できます。2025年の産業別の離職率(一般とパートの計)の例です。
- 宿泊業、飲食サービス業:23.7%
- サービス業(他に分類されないもの):21.2%
- 生活関連サービス業、娯楽業:20.1%
- 医療、福祉:14.3%
- 卸売業、小売業:11.9%
- 製造業:9.8%
- 建設業:8.7%
業界で2倍以上の差があるため、全体の13.7%だけで判断すると見誤ります。厚生労働省の「雇用動向調査」のページから、最新年の「結果の概況」の産業別の表を見るのが簡単です。より細かい集計は、政府統計の総合窓口(e-Stat)に掲載された統計表で確認できます。
自社の離職率を見るときの注意点
小さな会社では、1人の増減で離職率が大きく動きます。単年の数字に一喜一憂せず、次のように分けて見ると、手を打つべきところが見えやすくなります。
- 過去3年程度の推移と平均で見る
- 正社員とパート・アルバイトを分けて出す
- 入社1年以内、3年以内に辞めた人の割合(早期離職率)を別に出す
- 部署別、上司別に、退職者が偏っていないかを見る
平均を大きく上回る状態が続く場合は、職場のどの領域に原因がありそうかを先に洗い出しましょう。自社に当てはまる特徴は、人が辞めていく会社の特徴25項目のチェックリストで確かめられます。
離職防止の打ち手の全体像:入社前から退職の申し出前まで
離職防止策のアイデアは数多くあります。迷わないよう、社員が入社してから働き続けるまでの流れに沿って、7つの領域に分けて整理します。
採用時のミスマッチを減らす
入社直後の離職の多くは、「聞いていた話と違う」というずれから始まります。求人票や面接では、忙しい時期や残業・休日出勤の実際の量、仕事のきつい場面まで具体的に伝え、配属予定の職場の社員と話す機会を用意しておくと、入社後の失望が小さくなります。
オンボーディングで最初の3か月を支える
オンボーディングとは、新しく入った人が職場になじみ、力を発揮できるまでを計画的に支える取り組みです。厚生労働省の「新規学卒就職者の離職状況」(2025年10月公表)では、2022年3月卒業者の就職後3年以内の離職率は、大学卒33.8%、高校卒37.9%でした。中途採用の人も含め、入社直後は最も辞めやすい時期と考えて準備しておきましょう。
- 教える担当者と、最初の3か月で身につける内容を決めておく
- 指導役とは別に、相談しやすい先輩(メンター)をつける
- 入社1週間、1か月、3か月の節目に面談する
上司との関係を1on1で育てる
人間関係の悩みは、直属の上司との関係に集まりがちです。上司と部下が評価とは別に定期的に話す1on1は、困りごとを早めに知る場になります。月1回30分でも続けると、「この上司には言える」という安心が生まれます。何を話せばよいか迷う管理職には、1on1で話すことのテーマ例と質問集が参考になります。
評価と処遇の納得感をつくる
収入は辞めた理由の上位ですが、額だけが問題とは限りません。「なぜこの評価なのか」「どうすれば上がるのか」が分からないことも、不満を大きくします。評価の基準を文書にして説明する、結果を理由とあわせて本人に伝える、昇給の見通しを示す、といったことは、すぐに賃金を上げられない会社でも始められます。
働き方と休みやすさを整える
労働時間や休日などの条件は、特に女性と若手で辞めた理由の上位にあります。長時間労働が続く人をなくす、有給休暇を取りやすくする、仕事が一人に偏らない体制をつくる、が基本です。
育児や介護との両立も欠かせません。2025年4月1日施行の改正育児・介護休業法では、介護に直面したことを申し出た社員への制度の個別の周知と意向の確認や、介護休業などを申し出やすくする雇用環境の整備が、会社の義務になりました。介護をきっかけとした離職を防ぐうえでも、制度を整えて社員に知らせておくことが出発点です。
心理的安全性のある職場にする
心理的安全性とは、質問や失敗の報告、異なる意見を口にしても、責められたり立場が悪くなったりしないと感じられる状態です。言い出せない職場では、不満が表に出ないまま退職という形で表れます。上司が報告にまず礼を言うといった小さな行動から変えられます。チームでの取り組み方は、心理的安全性の高い職場の特徴と高める方法にまとめています。
メンタルヘルス不調に早く気づいて対応する
心身の不調は、休職や退職に直結しやすい問題です。遅刻や欠勤が増える、ミスが続く、口数が減るといった「いつもと違う」様子に、上司が早く気づいて声をかけられる体制をつくっておきましょう。退職の前兆と不調のサインは重なる部分が多く、上司が気づきやすいサインは仕事を辞める人の前兆チェックリストで整理しています。
上司だけで抱え込まないよう、人事への相談の流れと社外の相談窓口もあわせて用意しておきましょう。管理職に求める役割の決め方は、ラインケアの進め方で解説しています。
離職率が低い会社の共通点
離職率が低い会社は、特別な制度を持っているとは限りません。共通しているのは、辞める理由になる不満や負担を、早い段階で拾って小さくする仕組みがあることです。
離職率が低い会社の特徴
離職率が低い会社によく見られる特徴は、次のようなものです。
- 辞めた理由を記録している:退職者の理由や部署を一覧にし、同じ理由の繰り返しを防いでいる
- 上司と話す時間が決まっている:評価面談とは別に、定期的な1対1の対話がある
- 休みが取れる:有給休暇に遠慮がなく、仕事が一人に集中しない
- 評価の理由が説明される:基準が公開され、本人が納得できる説明がある
- 相談先が複数ある:上司のほかに、人事や社外の窓口など言いにくいことを話せる先がある
- 経営者が数字を見ている:離職率や社員の状態を定期的に確かめ、経営の課題として扱っている
「離職率が低い会社は何かがおかしい」と言われる理由
「離職率が低い会社は何かがおかしい」という声もあります。離職率が低いこと自体は望ましいことですが、次のような場合は数字だけで安心しないほうがよいでしょう。
- 辞めたくても言い出せない雰囲気があり、不満が表に出ていない
- 長く働く人が多い一方で、休職者や体調を崩す人が増えている
離職率は職場の悪化から遅れて動く数字です。社員のストレスなど「先に動く数字」もあわせて見ておきましょう。
中小企業が離職率を下げるには:最初にやる5つの順番
7つの領域に一度に取り組むのは、人も予算も限られる会社では現実的ではありません。費用が少なく効きやすいものから順に、最初にやる5つを整理しました。なお、長時間労働やハラスメントが起きている場合は、この順番にかかわらず、社員の健康と安全を守る対応を最優先にしてください。
ステップ1:自社の離職率と、辞めた理由を一覧にする
最初に、過去3年分の退職者を一覧にします。部署、上司、雇用形態、勤続年数、時期、理由を並べるだけで、「入社1年以内が多い」「特定の部署に偏っている」といった傾向が見えてきます。あわせて年ごとの離職率と早期離職率を出し、業界平均と比べておきましょう。
ステップ2:辞める前に本音が届く経路をつくる
退職時の面談で聞けるのは、たいてい「一身上の都合」のような当たり障りのない理由です。そこで、いま働いている社員の声を、辞めると決める前に拾える経路をつくります。無記名のアンケートで仕事の量、人間関係、評価への納得感を年1〜2回たずねる、上司以外に相談できる窓口を用意する、といった方法です。働きがいや組織への愛着を定期的に測る方法は、エンゲージメントサーベイの質問例と進め方で紹介しています。
ステップ3:管理職の1on1を定例にする
日々の困りごとを受け止めるのは直属の上司です。全管理職に月1回程度の1on1を定例にしてもらい、人事は実施状況を確認します。「離職者を出さないように」と結果だけを求めるのではなく、管理職向けの研修などで、話の聴き方と、困ったときに人事へつなぐ流れをセットで伝えることが大切です。
ステップ4:新人の受け入れ方を決める
早期離職が多い会社では、求人票と面接で伝える内容を実態に合わせ、教える担当者と面談の節目を決めておきます。一度決めれば、次の採用から同じ形で回せます。
ステップ5:働き方と評価の制度に手をつけ、年1回振り返る
土台ができたら、休みやすさや両立支援、評価の基準づくりなど、制度の見直しに進みます。効果が出るまで時間がかかるため、離職率とアンケートの結果を年1回同じ方法で振り返り、翌年に変えることを決めましょう。
5つの中でも、辞める前の本音をすくい上げることと、上司に話せない悩みの行き先を用意することは、専任の人事がいない会社ほど後回しになりがちです。組織の状態を測る方法や社外の相談先を比べる際の参考に、サービス資料をお届けしています。
資料ダウンロード
辞める前に本音を拾う仕組みに。ココロチェックのサービス資料
離職防止ツールの選び方:比較するときの5つの観点
離職防止ツールとは、社員の状態や職場の課題を把握し、離職につながる兆しに早く気づくためのサービスの総称です。アプリやクラウドの形で、状態を測るサーベイ型、採用時の適性を見るもの、1on1を支えるもの、社員の相談先になるものなどがあります。
観点1:自社の離職の原因に合っているか
早期離職が多いなら採用やオンボーディングに強いもの、人間関係やストレスが原因なら職場の状態を測るものや相談先になるもの、というように、ステップ1でつかんだ原因から選びます。機能の多さで比べないことが大切です。
観点2:匿名性と個人の情報の扱い
社員アンケートは、回答が上司や人事に特定されないと信じられなければ、本音が集まりません。会社が結果をどの単位で見られるのか、少人数の部署で個人が特定されない工夫があるかを確認しましょう。AIなどで個人ごとに「辞めそう」と判定する機能を使う場合は、その結果を本人の不利益な扱いに使わないことを社内で決めておく必要があります。
観点3:回答の手間と頻度
設問が多すぎたり頻度が高すぎたりすると、回答率が下がり、形だけの調査になります。
観点4:結果を見た後の打ち手まであるか
結果を見て何もしなければ離職は減りません。結果の読み方の支援や、社員が相談できる先までつながっているかは、人事の専任者がいない会社ほど大切です。
観点5:費用と運用の手間、無料で試せるか
月額費用だけでなく、設定や集計にかかる人事の手間も含めて比べます。無料の診断やツールから始め、課題がはっきりしてから有料のものを検討する進め方でもかまいません。
離職防止の取り組みでよくある失敗
離職防止は、原因とずれると費用をかけても効果が出ません。よくある「的外れ」な進め方を知っておくと、遠回りを避けられます。
- 給料だけを上げる:人間関係や働き方が原因なら、給料が上がっても辞めていきます
- 辞めると言われてから引き止める:申し出の時点で決意は固まっていることが多く、条件を上げて残っても不満が残れば再び辞めかねません。申し出を受けたときの面談は、退職引き止めはどこまでOKかで解説しています
- 福利厚生を増やすだけで終わる:社員が実際に困っていることと合わない制度は使われません
- アンケートをとりっぱなしにする:結果を返さず何も変わらないと、次からは本音が出てこなくなります
- 管理職に任せきりにする:上司自身が原因のこともあり、人事が仕組みとして支えることが前提です
また、数か月のうちに何人も辞めている場合は、平時の離職防止より先に、退職の連鎖を食い止める手当てが要ります。その手順は連鎖退職の原因と止め方にまとめています。
ココロチェックで、離職防止の「測る」と「相談先」をそろえる
離職防止でつまずきやすいのは、辞める理由が会社から見えないことと、社員が辞めると決める前に頼れる先がないことです。不満の原因が上司にあると、本人は社内で誰にも打ち明けないまま転職先を決めてしまいがちです。専任の人事や産業保健スタッフがいない会社では、声を集めて受け止める役割を担う人がいないことも珍しくありません。
ココロチェックは、産業保健の担当者がいない会社のための、法人向けメンタルヘルスサービスです。組織の状態を「測る」ところから、社員が専門家に相談して「癒す」ところまでを、一つのサービスで支えます。
- 組織の状態を測る:設問に答えるだけで、組織の状態と部署ごとの傾向がわかる組織診断を無料で用意しています。離職率が動く前に、どの部署から手を打つかを考える材料になります
- 社員の相談先になる:公認心理師・臨床心理士などの専門家に、オンラインで1回30分から相談できます。社内では言いにくい悩みを、退職を決める前に話せる場所になります
- 人事に個人の情報は渡さない:会社が見られるのは組織単位の傾向だけで、誰が相談したかは本人の同意なく伝わりません。知られる心配がないから、社員は早い段階で相談しやすくなります
自社の離職率を出したら、あわせて社員から見た職場の状態も確かめておきましょう。
離職の兆しを、部署ごとに先に知る
設問に答えるだけで、組織の状態と部署ごとの傾向がわかる無料の組織診断です。離職防止の打ち手の優先順位を決める材料にどうぞ。
離職防止のよくある質問
離職防止について、人事・経営者の方から寄せられることの多い質問をまとめました。
Q. 離職防止の取り組みにはどんなものがありますか?
採用時に仕事の実態を伝えてミスマッチを減らす、入社後3か月のオンボーディング、上司との1on1、評価基準の公開、休みやすさや両立支援の整備、心理的安全性の向上、メンタルヘルス不調への早期対応などがあります。自社の辞めた理由に合うものから選びましょう。
Q. リテンションマネジメントとは簡単に言うと何ですか?
社員に長く活躍してもらうために、採用、育成、評価、報酬、働き方などを定着の視点で整える人事管理の考え方です。離職防止とほぼ同じ意味で使われますが、働き続けたいと思える状態をつくることに重きを置いた言葉です。
Q. 離職率の平均は何%ですか?
厚生労働省の雇用動向調査では、2025年の離職率は全体で13.7%、一般労働者は11.4%、パートタイム労働者は19.9%でした。産業別では、宿泊業、飲食サービス業の23.7%から金融業、保険業の6.6%まで差があります。自社と比べるときは、同じ業種・雇用形態の数字を使いましょう。
Q. 中小企業が離職率を下げるには何から始めればよいですか?
まず過去3年の退職者を一覧にして、辞めた理由と偏りを確かめます。次に、本音を拾うアンケートや相談先を用意し、管理職の1on1を定例にします。制度の見直しはその後で十分です。
Q. 離職防止のアンケートでは何を聞けばよいですか?
仕事の量や残業の負担、上司や同僚との関係、評価への納得感、休みの取りやすさ、成長の実感、この会社で働き続けたいか、が基本の項目です。無記名にし、結果を社員にも返すと、次回以降も本音が集まりやすくなります。
まとめ:離職防止は、辞める理由を知り、順番を決めて手を打つ
離職防止について、要点を振り返ります。
- 離職防止は、辞めると言われてから引き止めることではなく、辞める理由になる不満や負担に先回りする取り組み。2025年の雇用動向調査では、辞めた理由の上位は収入、人間関係、労働時間などの労働条件だった
- 離職率は「1年間の離職者数÷1月1日現在の常用労働者数×100」で出し、全体の13.7%だけでなく、同じ業種・雇用形態の平均と比べる
- 中小企業は、退職者の一覧づくり、本音が届く経路、管理職の1on1、新人の受け入れ方、働き方と評価の制度、の順に進め、年1回振り返る
人が辞めない会社は、一度にできあがるものではありません。辞める理由を事実でつかみ、効きやすいところから一つずつ手を打つことが、社員が長く働ける職場への確かな道筋になります。
離職防止の第一歩に、組織の今を知る
無料の組織診断で、組織の状態と部署ごとの傾向がわかります。離職率が動く前に、手を打つ部署を見つける材料にどうぞ。
