試し出勤とは?給与・労災の扱いと規程に書く項目

試し出勤とは?給与・労災の扱いと規程に書く項目

「休職中の社員から、復職の前に一度職場に来てみたいと相談された」「試し出勤を制度にしたいが、給与や労災をどう扱えばいいのか分からない」。メンタル不調で休職した社員の復職が近づくと、人事・総務の担当者はこうした判断を迫られます。

試し出勤とは、休職中の社員が正式に復職する前に、元の職場などへ試験的に一定期間出勤し、復職できるかを確かめる仕組みです。法律上の義務ではなく、導入するかどうかは会社が決めます。導入するなら、休職中に行うのか復職後に行うのか、その間に仕事をさせるのか、給与やけがの扱いをどうするのかを、先にルールとして決めておくことが欠かせません。

この記事では、厚生労働省の「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」をもとに、試し出勤を制度にするときの判断と決めておく項目を、従業員30〜100人の会社の目線で整理しました。

この記事でわかること

  • 試し出勤とは何か、模擬出勤・通勤訓練との違い
  • 休職中の試し出勤と、復職後のリハビリ勤務・短時間勤務の違い
  • 試し出勤中の給与・労災・通勤災害・傷病手当金の扱いの考え方
  • 試し出勤の規程と同意書に決めておく項目、期間と内容の目安
  • うまくいかないときの対応と、主治医・産業医との連携
目次

試し出勤とは?厚生労働省の手引きにある3つの制度

まず、試し出勤という言葉が何を指すのかを、厚生労働省の手引きに沿って確認します。

試し出勤とは

厚生労働省の手引きは、正式な職場復帰の決定の前に社内制度として設けるものを「試し出勤制度等」と呼び、復職の試みを早めに始められる、長く休んだ社員の不安が和らぐ、本人が実際の職場で自分の状態を確かめながら準備できる、といった利点を挙げています。

会社にとっては、診断書と面談だけでは見えにくい「決まった時間に通えるか」「職場で疲れすぎないか」を、実際の様子で確かめる材料になります。手引きの本文は厚生労働省「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」(PDF)で読めます。

模擬出勤・通勤訓練・試し出勤の違い

手引きは、試し出勤制度等の例として次の3つを挙げています。段階が進むほど、実際の職場に近づきます。

  • 模擬出勤:勤務時間と同じ時間帯に、デイケアなどで模擬的な軽い作業やグループミーティングをしたり、図書館などで過ごしたりする。職場には行かない
  • 通勤訓練:自宅から職場の近くまで、ふだんの通勤経路で移動し、そのまま、または職場の近くで一定の時間を過ごしてから帰宅する
  • 試し出勤:職場復帰の判断などを目的に、本来の職場などへ、試験的に一定期間続けて出勤する

模擬出勤は、本人が医療機関のデイケアやリワーク支援(復職に向けたリハビリの通所)を使う形が中心で、会社が用意するものではありません。会社が制度として決めるのは、主に通勤訓練と試し出勤です。

試し出勤制度は義務?導入するかの判断材料

試し出勤制度を設ける法律上の義務はなく、手引きも法令ではなく会社向けの目安です。導入するかは、次の点を手がかりに考えます。

  • 休職が長く、本人が通勤や職場の人間関係に不安を持っている
  • 主治医の診断書と面談だけでは、決まった時間に働けるかを判断しにくい
  • 受け入れる職場に、出退勤の時刻や様子を見て人事に伝えられる上司がいる
  • 給与やけがの扱いを決め、本人に書面で説明する手間をかけられる

休職が短く生活リズムも整っている人なら、試し出勤を挟まず、復職後の短時間勤務で段階を踏むほうが合うこともあります。制度は用意しておき、使うかは一人ずつ決めるのが現実的です。

試し出勤は休職中?復職後?リハビリ出勤・短時間勤務との違い

試し出勤を制度にするうえで最初に決めたいのが、正式な復職の「前」に行うのか「後」に行うのかです。ここがあいまいだと、給与や労災の扱いがぶれてしまいます。

休職中に行う試し出勤

手引きのいう試し出勤は、正式な復職の決定の前、つまり休職期間中に行うものです。社員は働く義務を免除されたままなので、仕事の指示は出さず、職場で過ごすことに慣れてもらうのが基本です。手引きの事例でも、試し出勤中は身の回りの整理や読書などに限り、業務は一切させていません。

手引きは、試し出勤は復職を決める判断のために行うものなので、目的に必要な時間帯・やり方・時期・期間に限り、いたずらに長くしないよう求めています。

復職後のリハビリ勤務・短時間勤務

復職後に、勤務時間を短くしたり、仕事の量を減らしたりして、段階的に元の働き方へ戻すのは、手引きでは「職場復帰後の就業上の配慮」にあたります。社員はすでに復職しているので、働いた時間は通常の労働として賃金を払い、仕事や通勤が原因のけがは労災保険の対象になりえます。短時間勤務にするなら、手引きは生活リズムの観点から、始業を遅らせるより終業を早めるほうが望ましいとしています。

「リハビリ出勤」という言葉に注意

「リハビリ出勤」「慣らし出勤」などの言葉は、復職前の試し出勤を指す会社もあれば、復職後の短時間勤務を指す会社もあります。規程には呼び名より「休職中か復職後か」「業務をさせるか」をはっきり書きます。

中小企業はどちらで設計するか

休職中の試し出勤は判断材料を増やせる反面、仕事をさせない運用と、給与やけがの説明に手間がかかります。復職後の短時間勤務は扱いが分かりやすい反面、復職を決めてからしか始められません。従業員30〜100人の会社では、「通勤訓練」と「数日から数週間の試し出勤(業務なし)」を休職中に行い、復職後は短時間勤務や残業の制限で段階を踏む、という二段構えにしておくと、どちらの事情にも対応しやすくなります。復職までの全体の手順は、復職支援プログラムの作り方で手引きの5つのステップに沿って解説しています。

公務員の試し出勤との違い

国家公務員では、人事院が2025年5月に公表した担当者向けマニュアルで、病気休暇・病気休職中の職員が本人の希望で元の職場などへ試験的に出勤するものを「試し出勤」としています。自治体の要綱の例では、堺市の学校職員向けが、期間を4週間以内(必要なら延長可)とし、その間は給与を支給しないと定めています。法令の枠組みが違うので民間にそのまま当てはめることはできませんが、期間や記録の付け方は参考になります。

試し出勤中の給与・労災・傷病手当金の扱い

制度にするとき最も迷うのが、お金とけがの扱いです。手引きは、処遇、災害が起きたときの対応、人事労務管理上の位置づけを、前もって労使で検討しルールにしておくよう求めています。個別の判断は社会保険労務士や弁護士に確認してください。

試し出勤は無給でもよい?給与の考え方

手引きは、会社が作業について指示を出したり、作業の内容が業務にあたったりする場合には、労働基準法などが適用される場合があり、賃金などについて合理的な処遇を行うべきことに留意するよう示しています。

試し出勤中に仕事をさせれば、労働として扱われ、賃金の支払いが必要になる可能性が高いということです。こころの耳に掲載された社会保険労務士の解説も、試し出勤中に業務を命じた場合は労働基準法が適用され、その労働に対する賃金を支払う必要があるとしています。報道では、無給の取り決めがあった試し出勤でも、上司の指示のもとで作業をしていた部分について最低賃金に相当する額の支払いを命じた裁判例も伝えられています。「無給だから大丈夫」と考えず、作業をさせるかどうかと賃金の扱いをセットで決めておきましょう。

反対に、職場で過ごすだけで業務をさせない運用であれば、無給とする設計も考えられます。手引きの規程の例は「試し出勤中は有給とし、交通費を支払う」としており、人事院のマニュアルの申出書の例は交通費を自己負担としています。有給にするか、交通費を出すかは会社が決めますが、無給にするなら「業務をさせない」運用の徹底が前提です。

試し出勤中のけがと労災・通勤災害

休職中は働く義務がないため、業務をしない試し出勤の途中や職場でのけがは、労災保険の業務災害や通勤災害にあたらない可能性があります。

一方で、2012年4月の政府の答弁書(衆議院「試し出勤」についての官民格差に関する質問に対する答弁書)は、民間の試し出勤中の災害でも、業務災害や通勤災害に該当する場合があるとしています。例として挙げているのは、復帰を予定する職場で、使用者の指示にもとづいて業務に関連する作業をしているときに、その作業が原因でけがをした場合や、その作業のために通勤している途中でけがをした場合です。手引きにも、災害が起きた場合は労災保険の給付が支給される場合があることが書かれています。

労災にあたるかは事案ごとに労働基準監督署が判断し、会社が前もって決めることはできません。規程と同意書で「業務をさせないこと」「労災の対象とならない場合があること」「そのとき会社がどう対応するか」を本人に説明しておきます。

試し出勤と傷病手当金

傷病手当金を受けている社員は、試し出勤で手当が止まらないかを心配します。傷病手当金は、療養のため仕事に就けないことなどを条件に、健康保険の保険者(協会けんぽや健康保険組合)が支給を決めるものです。

愛媛県労働委員会の相談事例では、試し出勤を始めても、保険者が引き続き療養のため仕事に就けない状態だと判断すれば、傷病手当金は続けて支給されるとし、判断の基準は保険者によって違うため、まず保険者に確認するよう勧めています。一方で、こころの耳の解説では、医師の許可のもとで半日出勤して従来の仕事をする場合などは支給されないとした1954年の通知が紹介されており、短時間でも業務をして賃金を受けると、支給されなくなることが考えられます。

始める前に保険者へ確認しておくと、本人の収入の不安を減らせます。

「作業させない」設計がいちばんの線引き

給与・労災・傷病手当金のどれも、「試し出勤中に業務をさせたか」で扱いが分かれます。休職中の試し出勤は、次のように線を引くと後の争いを防ぎやすくなります。

  • 試し出勤中は、業務の指示をしない。成果物を会社の仕事として使わない
  • 過ごし方は、身の回りの整理、資料や社内規程を読む、職場の雰囲気に慣れることにとどめる
  • 業務をさせて仕事ぶりを確かめたい段階になったら、復職を決めてから、短時間勤務などで行う

試し出勤の規程と同意書に決めておく項目

制度にするなら、就業規則(休職・復職の規程)に根拠を置き、一人ずつの実施は同意書と計画書で決めます。手引きの規程の例や公務員の要綱を参考に、項目をまとめました。

就業規則・規程に書く項目

  • 目的:休職中の社員が職場に慣れ、会社が復職の可否を判断する材料を得るために行う
  • 種類:通勤訓練と試し出勤。試し出勤は休職期間中に行い、正式な復職ではないこと
  • 対象:実施を希望する社員のうち、主治医から療養に支障がないとの意見を得た人
  • 決め方:人事の〇〇が、本人・上司と相談し、医師の意見をふまえて実施を決める
  • 期間:原則〇週間以内。延長は必要な場合に限り、本人・医師と相談して決める
  • 過ごし方:業務の指示はしない。出退勤の時刻と様子を上司が記録し、人事に伝える
  • 給与と交通費:試し出勤中の給与は〇〇とする。交通費は〇〇とする
  • けがのとき:試し出勤中の災害は、労災保険の対象とならない場合がある。その場合の会社の対応は〇〇とする
  • 中止:体調が悪化したとき、本人が希望したとき、医師が中止を勧めたときは中止できる
  • 休職期間との関係:試し出勤の期間は休職期間に含める

最後の項目を決めておかないと、休職期間の満了日の扱いで迷います。休職期間の定め方と満了時の扱いは、休職の手続きの流れ(会社側)で確認できます。

試し出勤の同意書に入れる項目の例

実施を決めたら、次の内容を書面にし、本人に読んで署名してもらいます。

  • 試し出勤は休職期間中の制度で、正式な復職ではないこと
  • 実施する期間、曜日、出社と退社の時刻、場所
  • 試し出勤中は業務を行わないこと
  • 給与と交通費の扱い
  • 試し出勤中のけがは、労災保険の対象とならない場合があること
  • 主治医が試し出勤を療養の妨げにならないと判断していること
  • 体調が悪いときは無理をせず休み、上司または人事に連絡すること
  • 試し出勤の様子(出退勤の時刻、疲れなど)を記録して復職の判断に使い、人事・上司・医師で共有すること
  • 体調の悪化などで、期間の途中で中止することがあること

試し出勤の計画書の例

計画書は本人と人事・上司で相談して作ります。手引きの事例は、いきなり5日続けると疲れると考えて木曜日から始め、最初の2日は短い時間にし、月曜日に終日過ごして翌日に疲れが残らないかを確かめています。この考え方を使った例です。

  • 1週目:週3日、午前10時から12時まで。職場の席で過ごし、身の回りを整理する
  • 2週目:週4日、通常の始業時刻から昼過ぎまで。社内の資料や規程を読む
  • 3週目:週5日、通常の始業時刻から終業時刻まで。翌日に疲れが残らないかを確かめる
  • 毎週末:本人・上司・人事で10分ほど振り返り、翌週の時間を決める

自社の休職から復職までの流れに抜けがないかは、休職・復職フローのチェックリストで確かめられます。

試し出勤の期間と内容の目安

期間や過ごし方に法律の基準はありません。手引きと公的な例から目安を示します。

試し出勤の期間はどのくらい?

手引きは具体的な日数を示しておらず、規程の例も「〇〇日の範囲内」と空欄です。公的な例では、手引きの事例が数日間、堺市の学校職員の要綱が4週間以内です。中小企業では、1〜4週間を目安に、2週間ごとに続けるかを見直すとよいでしょう。会社の都合で延ばし続けると判断の先送りになり、手引きが戒める「いたずらに長期にわたる」運用になります。休職期間の満了が近い人は、満了日までに試し出勤と復職の判断を終えられる日程を組みます。

試し出勤で何をする?内容の例

業務をしないことを前提に、過ごし方の例を挙げます。

  • 自分の席や机の周りを整理する
  • 休職中に変わった社内のルールや資料に目を通す
  • 業務に関係する本や資料を読む
  • 昼休みを職場でとり、同僚と短く話す
  • その日の体調と疲れを、簡単な記録に残す

上司は、出退勤の時刻、眠気や集中の様子、人とのやりとりで困っていないかを見て人事に伝えます(手引きの事例では産業医に報告)。上司は評価役ではなく、見守り役として関わります。

職場への伝え方と、本人の挨拶

試し出勤の前に、受け入れる職場のメンバーへ「〇日から〇日まで、復職に向けて職場で過ごす期間がある。仕事はお願いしない」とだけ伝えておきます。病名や休職の理由は、本人の同意なく伝えません。

本人は初日の挨拶を気にしがちです。「しばらくご迷惑をおかけしました。少しずつ慣らしていきます」程度の一言で十分だと事前に伝えると安心できます。挨拶をするかも本人の希望で決めます。

試し出勤での主治医・産業医との連携

試し出勤は、医師の意見とセットにすると復職の判断に生かせます。手引きは、産業医なども含めて必要性を検討し、主治医からも療養に支障がないとの判断を受けることを求めています。

主治医に試し出勤の可否を確認する

本人の同意を得たうえで、試し出勤の制度、期間と時間、過ごし方を書面にし、本人から主治医に渡してもらいます。手引きも、主治医には会社の規則や本人に求められる仕事の状況を十分に説明するよう求めています。制度の中身が伝わらないと、主治医は可否を判断しにくくなります。書面は、手引きの様式例「職場復帰支援に関する情報提供依頼書」を下敷きにすると項目が漏れません。

産業医・地域産業保健センターに意見を聞く

産業医がいる会社では、実施の可否と始める時間の長さを産業医と相談し、試し出勤の記録を復職の面談に持っていきます。診断書だけより具体的な話ができます。面談で何をそろえて何を聞くかは、復職の産業医面談チェックリストにまとめています。

産業医がいない50人未満の会社は、地域産業保健センター(地さんぽ)で医師の意見を聞ける場合があります。予約に時間がかかることがあるので、試し出勤を考え始めた段階で連絡します。申込の手順は地域産業保健センターの使い方で確認できます。

試し出勤の記録を復職の判断につなげる

終わったら、記録をもとに本人・上司・人事(いれば産業医)で振り返ります。手引きの判断基準の例のうち、試し出勤で確かめやすいのは次の点です。

  • 通勤の時間帯に、一人で安全に通勤できる
  • 決まった日と時間に、続けて出勤できる
  • 疲れが翌日までに十分回復する
  • 昼間に眠気がなく、注意力や集中力が戻ってきている

うまくいっても、すぐ元どおりの働き方に戻すわけではありません。復職の時点では病気の前ほどには回復していないことも多いので、復職後も短時間勤務や残業の制限で段階を踏みます。

ただ、試し出勤の振り返りや面談では言えない不安を抱えたまま、本人が戻ってくることもあります。人事や上司に話しにくいことを社外の専門家に相談できる先を用意しておくと、試し出勤から復職後までの見守りに隙間ができにくくなります。

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試し出勤がうまくいかないとき

途中で休む、予定どおり進まないといったことも、復職の判断材料として受け止めます。

試し出勤を休んだ・続かないとき

休む日があっても、それだけで失敗とは決めません。休んだ曜日と理由、前日の様子を記録して本人と振り返り、時間や日数を減らして続けられないかを考えます。

休みが続く、朝起きられない日が多いといった場合は、本人の同意を得て主治医に様子を伝え、意見を求めます。

試し出勤の中止と、その後の判断

体調がはっきり悪くなった、本人が望んだ、主治医が勧めた、といった場合は中止します。中止は罰ではなく療養に戻るための判断であり、準備が整えばまた試せることを本人に伝えます。

うまくいかなかったことだけを理由に、すぐ退職の話をするのは避けます。休職期間の満了が近く判断が分かれるときは、早めに社会保険労務士や弁護士に相談しましょう。休職と欠勤の扱いの違いや、再休職のときの考え方は休職と欠勤の違いと会社の対応で整理しています。

本人が試し出勤を拒否したとき

手引きの規程の例は、会社が必要と認めるときに試し出勤を命じられる形で書かれています。一方で手引きの本文は、制度を会社の都合ではなく本人の円滑な復帰のために運用するよう求めています。

本人が嫌がるときは、まず理由を聞き、通勤が不安なら通勤訓練から、人に会うのが不安なら短い時間から、と負担を下げた案を示します。それでも希望しなければ、主治医の意見や面談、生活の記録など別の材料で判断します。試し出勤を受けないことだけで復職を認めない扱いは争いになりやすいので、迷うときは専門家に相談してください。

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規程と計画を整えれば、復職の判断はしやすくなります。ただ、試し出勤中や復職直後は、本人が「疲れた」「職場が怖い」と感じても、評価を気にして上司や人事には言い出しにくいものです。社内の人だけで受け止めるのには限りがあります。

ココロチェックは、産業保健の担当者がいない会社のための、法人向けメンタルヘルスサービスです。組織の状態を「測る」ところから、社員が専門家に相談して「癒す」ところまでを、一つのサービスで支えます。

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試し出勤のよくある質問

人事・総務の担当者からよく聞かれる質問にお答えします。

Q. 試し出勤とはどういう制度ですか?

休職中の社員が正式な復職の前に、元の職場などへ試験的に一定期間続けて出勤する制度です。厚生労働省の手引きに例が示されていますが、法律上の義務ではなく、会社が任意に設けます。

Q. 試し出勤中の給与は無給でもよいですか?

職場で過ごすだけで業務をさせないなら、無給とする設計も考えられます。一方、会社が作業を指示したり、作業の中身が仕事そのものだったりすれば、無給の合意があっても賃金が必要になる場合があります。

Q. 試し出勤中に傷病手当金はもらえますか?

決めるのは健康保険の保険者です。試し出勤中も療養のため仕事に就けない状態と判断されれば支給が続くことがありますが、業務をして賃金を受けると止まる場合があります。事前に保険者へ確認してください。

Q. 試し出勤の期間はどのくらいが目安ですか?

決まった期間はなく、手引きはいたずらに長くしないよう求めています。公的な例は数日から4週間ほどで、1〜4週間を目安に2週間ごとに見直すのが現実的です。

Q. 試し出勤中に通勤途中でけがをしたら労災になりますか?

事案ごとに判断されます。業務をしない試し出勤では対象にならない可能性があり、会社の指示で業務に関連する作業をしていた場合などは、通勤災害を含む労災にあたることがあるとされています。事前に本人へ説明しておきましょう。

まとめ:試し出勤は「休職中か復職後か」と「業務をさせるか」から決める

試し出勤について、要点を振り返ります。

  • 試し出勤は、休職中の社員が正式な復職の前に職場へ試験的に出勤する制度で、厚生労働省の手引きに模擬出勤・通勤訓練とあわせて例が示されている。法律上の義務ではない
  • 休職中に業務をさせると、賃金・労災・傷病手当金の扱いが変わる。休職中は「業務をさせない」試し出勤にし、仕事を戻すのは復職後の短時間勤務などで行うと線を引きやすい
  • 規程と同意書に、期間、過ごし方、給与と交通費、けがのときの扱い、中止の条件、休職期間との関係を書き、主治医の判断と本人の同意を得てから始める

試し出勤は、復職を急がせる制度ではなく、本人と会社が一緒に「戻れるか」を確かめる時間です。ルールを先に決めておけば、本人も職場も安心して準備できます。迎える職場の状態も、あわせて確かめておきましょう。

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この記事を書いた人

はたらくこころ研究所 編集部のアバター はたらくこころ研究所 編集部 運営:株式会社remental

はたらくこころ研究所は、株式会社remental が運営する、職場のメンタルヘルスの情報メディアです。編集部では、産業医や保健師などの産業保健の担当者がいない会社で人事・総務・経営を担う方に向けて、ストレスチェック、休職・復職、ハラスメント対策、管理職のラインケアなどの実務をまとめています。
法令や制度に関する記事は、厚生労働省など公的機関が公表している情報をもとに作成し、制度の改正にあわせて見直しています。

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