心理的安全性の高い職場とは?特徴と高める方法・事例

心理的安全性の高い職場とは?特徴と高める方法・事例

「会議で誰も意見を言わない」「ミスの報告がいつも遅れて届く」「調子が悪そうな社員がいても、本人から何も言ってこない」。こうした悩みの奥にあるのが、職場の心理的安全性です。

心理的安全性とは、チームの中で「質問しても、ミスを打ち明けても、反対意見を言っても、責められたり笑われたりしない」とメンバーが共通して感じられている状態のことです。仲の良さや居心地のよさとは別物で、上司のふだんの反応と小さな仕組みの積み重ねで高めていけます。そして、言い出しやすい職場は、メンタルヘルス不調のサインに早く気づける職場でもあります。

この記事では、提唱者エドモンドソン氏の研究や Google の調査、厚生労働省の指針と統計をもとに、心理的安全性の高い職場の特徴と高める方法を、従業員30〜100人規模の会社の目線で整理しました。

この記事でわかること

  • 心理的安全性の意味と、「ぬるま湯」との違い
  • 職場の心理的安全性が、相談しやすさや不調の早期発見につながる理由
  • 心理的安全性の高い職場・低い職場の特徴と、アンケートでの測り方
  • 心理的安全性を高める方法7つと、取り組み事例
  • ハラスメントとの関係など、取り組むときの注意点
目次

心理的安全性とは?職場で注目される背景

まずは言葉の意味と、職場で注目されるようになった背景を確認します。定義を押さえておくと、「ただ優しくすればいい」という勘違いを避けられます。

心理的安全性の定義

心理的安全性(英語で psychological safety)は、ハーバード・ビジネス・スクールのエイミー・エドモンドソン教授が、1999年に発表したチーム研究の論文で示した考え方です。エドモンドソン氏はこれを「チームは対人関係のリスクをとっても安全な場所だ、という、メンバーに共有された信念」と定義しました。

「対人関係のリスク」とは、質問する、助けを求める、ミスを認める、新しい提案をする、異なる意見を言う、といった行動です。どれも仕事に欠かせませんが、「評価が下がるかも」と感じると人は口をつぐみます。心理的安全性が高いチームでは、こうした行動をとっても恥をかかされたり罰を受けたりしないという安心感が共有されています。

ポイントは、個人の性格ではなく「チームの状態」だということです。同じ会社でも、部署や上司によって心理的安全性の高さは変わります。なお、言葉自体は1960年代の組織変革の研究でも使われており、エドモンドソン氏の研究以降、職場のチームの研究で広く使われるようになりました。

Google のプロジェクト・アリストテレスでわかったこと

心理的安全性が広く知られるきっかけになったのが、Google が自社のチームを調べた研究「プロジェクト・アリストテレス」です。Google はエンジニアリングと営業の180のチームを調べ、成果を上げるチームに共通する5つの因子を、2015年に人材関連の情報サイト「re:Work」で公開しました。重要度の順に並べると、最初にくるのが心理的安全性でした。

  • 心理的安全性:チームの中でリスクをとっても安全だと感じられる
  • 相互信頼:メンバーが期限内に質の高い仕事を仕上げると信頼できる
  • 構造と明確さ:役割や目標、計画がはっきりしている
  • 仕事の意味:仕事が自分にとって意味のあるものだと感じられる
  • インパクト:自分の仕事が組織に影響を与えていると感じられる

注目したいのは、「誰がチームにいるか」より「チームがどう協力しているか」が大事だった点です。チームの人数や在籍年数、個人の成績などは、成果と大きな関係が見られなかったとされています。

「ぬるま湯」や「仲良しクラブ」とは違う

心理的安全性は、ときに「ぬるま湯」「甘やかし」と誤解されます。エドモンドソン氏は、心理的安全性と仕事の基準の高さを別の軸として、職場を次の4つの状態に分けて説明しています。

  • 心理的安全性も基準も低い:無関心な状態。言われたことだけをこなし、誰も踏み込まない
  • 心理的安全性が高く、基準が低い:居心地はよいが、挑戦や学びが少ない(いわゆるぬるま湯)
  • 心理的安全性が低く、基準が高い:不安が強い状態。ミスや問題が隠され、無理が積み重なる
  • 心理的安全性も基準も高い:学び続ける状態。率直に意見を出し合い、高い目標に向かえる

目指すのは「厳しいことも言い合える職場」で、目標や品質の基準を下げることではありません。耳の痛い報告や反対意見が、責められずに歓迎される状態をつくることが、本来の意味です。心理的安全性が率直に話せる土台だとすれば、その上で社員が活力と熱意を持って仕事に打ち込めている状態を表すのがワークエンゲージメントです。

職場の心理的安全性はなぜ必要か:メンタルヘルスとの関係

心理的安全性はチームの成果の話として語られがちです。しかし、産業保健の担当者がいない中小企業にとっては、メンタルヘルス対策の土台としての意味も大きいと考えられます。

不調のサインは「言えること」から見つかる

メンタルヘルス不調は、早く気づいて手を打つほど、本人の負担も会社の負担も小さくすみます。そのきっかけの多くは「最近眠れない」「仕事が回らない」といった本人の一言です。困りごとを口に出すと評価が下がると感じる職場では、この一言が出てこず、上司が気づいたときには休職が必要な状態になっていることもあります。

エドモンドソン氏の初期の研究に、病院の看護チームの調査があります。上司の指導やチームの関係が良いと評価された病棟ほど、報告される投薬ミスが多かったという結果でした。ミスそのものが多いのではなく、報告しやすいからだと考えられています。メンタルヘルスでも同じで、「不調を言い出せる職場」は、不調を早く見つけられる職場です。部下の変化に気づく視点は部下の様子がおかしいときの対応で詳しく扱っています。

職場のストレスの原因と重なる

厚生労働省の「令和7年 労働安全衛生調査(実態調査)」では、仕事や職業生活で強い不安やストレスを感じている労働者は67.5%でした。その内容は「仕事の量」と「仕事の失敗、責任の発生等」がともに39.5%で、最も多くなっています。

失敗への不安や人間関係の負担は、心理的安全性が低い職場で強まりやすいものです。同じ調査で、ストレスを相談できる相手に「上司」をあげた人は63.8%と、「家族・友人」に次ぐ多さでした。上司が相談相手として機能するかどうかは、日ごろの職場の空気に左右されます。数字は令和7年 労働安全衛生調査(実態調査)結果の概況で確認できます。

国の指針が求める「ラインケア」とつながる

厚生労働省の「労働者の心の健康の保持増進のための指針」は、メンタルヘルス対策の柱の一つに、管理監督者による「ラインによるケア」をあげています。中身は職場環境等の改善と部下からの相談への対応で、職場環境の評価には人間関係も含めることが望ましいとされています。

心理的安全性という言葉は指針に出てきませんが、部下が上司に相談できること、職場の問題を率直に出し合えることは、ラインケアがうまく回る前提です。ラインケアの全体像はラインケアの解説、会社全体の進め方は職場のメンタルヘルス対策の4つのケアと具体例で整理しています。

心理的安全性の高い職場と低い職場の特徴

自社の職場が今どんな状態かを考えるために、高い職場と低い職場の特徴を見ていきましょう。研究をふまえた目安なので、すべてが当てはまる必要はありません。

心理的安全性の高い職場の特徴

心理的安全性の高い職場には、次のような様子が見られます。

  • 「わからない」「教えてほしい」が、立場や年次に関係なく気軽に出てくる
  • ミスやトラブルが早く報告され、責める前に原因と対策の話になる
  • 会議で、若手や少数派の意見、反対意見も出てくる
  • 上司が自分の失敗や迷いを隠さず話している
  • 調子の悪い人に周りが声をかけ、仕事を分け合える

風通しの良い職場とも言い換えられますが、大事なのは「悪い知らせが早く上がってくるか」です。良いニュースしか届かない職場は、穏やかに見えても心理的安全性が高いとはいえません。

心理的安全性が低い職場の特徴と原因

エドモンドソン氏は、人が職場で口をつぐむ原因として、次の4つの不安をあげています。心理的安全性が低い職場、ない職場では、これらが強く働きます。

  • 知らない人だと思われる不安:「そんなことも知らないのか」と思われそうで、質問できない
  • 仕事ができない人だと思われる不安:評価が下がりそうで、ミスや弱みを隠す
  • でしゃばりだと思われる不安:「余計なことを」と思われそうで、アイデアを出さない
  • 否定的な人だと思われる不安:「文句ばかり」と思われそうで、今のやり方に疑問を出さない

その結果、報告が遅れて問題が大きくなったり、困っている人が一人で抱え込んだりしがちです。

心理的安全性が低い上司の特徴

職場の心理的安全性は、上司のふるまいに強く左右されます。悪気がなくても、次のような反応が続くと、部下は少しずつ口を閉ざしていきます。

  • 報告を受けたときの最初の一言が「なんで」「どうして」の問い詰めになる
  • 部下の提案を最後まで聞かずに結論を出す、または聞いたまま放置する
  • ミスをした人を、ほかのメンバーの前で注意する
  • 「何かあったら言って」と言いながら、話しかけにくい忙しさを見せている

上司個人を責めるのではなく、こうした反応のくせに本人が気づけるようにすることが、改善の第一歩です。

職場の心理的安全性の測り方とアンケート

取り組みの前に今の状態を測っておくと、どこから手をつけるかを決めやすく、後で変化も確かめられます。測り方は大きく2つあります。

エドモンドソン氏の7つの質問を参考にしたアンケート

エドモンドソン氏が1999年の論文で使った質問票は、7つの文に「そう思う」から「そう思わない」までの段階で答える形です。否定的な文も混ぜながら、次のような観点を尋ねています。

  • ミスをしたときに責められないか
  • 問題や難しい課題を話題にできるか
  • 自分と違うタイプの人を受け入れているか
  • 新しいことに挑戦しても安全か
  • ほかのメンバーに助けを求めやすいか
  • 自分の努力をわざと台無しにする人がいないか
  • 自分の能力や持ち味が生かされているか

社内でアンケートをとるなら、この観点を参考に5〜7問の短い設問をつくるとよいでしょう。たとえば「わからないことを気軽に質問できる」「上司に悪い知らせを伝えても、責められずに対応を一緒に考えてもらえる」「体調や仕事の不安を、上司か同僚の誰かに相談できる」などです。定着や働きがいまで含めて組織を見る調査は、エンゲージメントサーベイの質問例とストレスチェックとの違いで紹介しています。

アンケート自体が「本音を言っても大丈夫か」を試される場です。無記名で行い少人数の部署は合算する、結果を上司の評価に直結させない、結果と次の取り組みを全員に共有する、の3点は守りましょう。

ストレスチェックの集団分析を使う

ストレスチェックを実施している会社は、集団分析も手がかりになります。57項目の調査票では、上司や同僚からの支援の度合いを部署ごとに見られます。80項目の新職業性ストレス簡易調査票には、「上司のリーダーシップ」「ほめてもらえる職場」「失敗を認める職場」といった、心理的安全性に近い尺度も含まれています。結果の読み方や人数の少ない部署の扱いはストレスチェックの集団分析の見方と活用手順で解説しています。

職場の心理的安全性を高める方法7つ

ここからは、心理的安全性を高める具体的な方法、いわば職場での作り方です。エドモンドソン氏はリーダーの役割を「土台をつくる」「参加を求める」「生産的に応える」の3つに整理しています。この考え方をもとに、中小企業の職場ですぐ始められる取り組みを7つにまとめました。

方法1:仕事の「わからなさ」を最初に共有する

まず、上司が仕事の性質を言葉にします。「前例のない仕事なので、途中で必ず想定外のことが起きる」「気づいたことは早めに共有してほしい」と、正解が決まっていない仕事だと示すことで、質問や報告が「迷惑」ではなく「必要な貢献」になります。新しい業務の開始時や、期初に目標を伝えるときが良いタイミングです。

方法2:上司が先に「わからない」「間違えた」を言う

上司が自分のミスや知らないことを先に口にすると、部下は「弱みを見せてもいい」と受け取ります。「先週の指示は私の説明不足だった」「この分野は詳しくないので教えてほしい」といった一言で十分です。完璧な上司を演じるほど、部下は失敗を隠すようになります。

方法3:意見は「待つ」より「聞きに行く」

「何かあれば言って」だけでは、意見はなかなか出てきません。会議では「反対の立場で考えると、気になる点はある?」「〇〇さんの現場ではどう見える?」と、具体的な問いで発言を求めます。全員に一言ずつ話してもらう、付せんやチャットに書いてから話し合う、といったワークも、話すのが苦手な人の声を拾うのに役立ちます。

方法4:悪い知らせほど「ありがとう」で受け止める

報告や相談を受けたときの最初の反応が、次にまた言ってくれるかどうかを決めます。ミスやトラブルの報告には、まず「早く言ってくれてありがとう」と伝え、それから一緒に対策を考えます。悪い知らせを持ってきた人を守ることが、問題を小さいうちに見つける近道です。

方法5:失敗を「人」ではなく「仕組み」で振り返る

ミスが起きたときは「誰がやったか」ではなく、「なぜ起きたか」「仕組みでどう防ぐか」を話し合います。個人の注意不足で片づけると、次からミスが隠されます。挑戦した結果の失敗と、手順を守らなかったことによる失敗は分けて扱うと、基準を下げずにメリハリがつきます。

方法6:1on1で、評価と切り離して話を聞く

月1回15〜30分でも、上司と部下が1対1で話す時間を持つと、会議では言いにくい悩みや体調の変化を聞く機会になります。上司が話すより聞く時間を長くとること、評価の面談とは分けることが大切です。何を話せばよいかの具体例は1on1で話すことにまとめています。

方法7:上司以外にも相談できる通り道をつくる

上司との関係そのものが悩みの種になっている人や、上司には言いにくい体調の悩みを抱える人もいます。人事・総務の担当者や社内外の相談窓口など、上司を経由しない相談先を用意し、利用しても評価に影響しないことをはっきり伝えましょう。後で紹介する厚生労働省のヒント集でも、相談しやすい環境づくりや相談窓口の確保が挙げられています。窓口が使われない理由と改善策は社内相談窓口の解説で扱っています。

方法1〜6は上司のふるまいで変えられますが、方法7は会社としての仕組みづくりが必要です。とくに、上司には言いにくい不調の悩みをどこで受け止めるかは、社内の努力だけでは埋めにくいところです。社外の相談先を検討する材料として、サービス資料をご用意しています。

資料ダウンロード

上司に言えない悩みの受け皿に。ココロチェックのサービス資料

心理的安全性の取り組み事例

次に取り組み事例を見ていきます。大企業の事例はそのまま真似しにくいため、中小企業向けの例もあわせて紹介します。

医療・看護の現場の事例

医療や看護の現場では、ミスの報告の遅れが患者の安全にかかわるため、「報告した人を責めない」「誰でも気づいたことを言える」ことを医療安全の文化として育てる取り組みが広がっています。学べるのは、報告件数の増加を「悪化」と見ないことです。取り組みを始めて報告や相談が増えたら、隠れていたものが見えるようになったサインと受け止めましょう。

Google の事例

Google の社内では、チームの状態を尋ねる問いへの回答を匿名で集計してリーダーに渡し、リーダーが結果をチームと共有して話し合う進め方がとられました。結果をリーダーの通信簿にせず、全員で「どうすれば話しやすくなるか」を考える材料にする点は、規模に関係なく取り入れられます。

中小企業でできる取り組み例

従業員30〜100人規模の会社で、費用をかけずに始められる取り組みの例です。

  • 朝礼や週1回のミーティングで「困りごと」を一人一言:業務連絡だけでなく、「今困っていること」「手伝ってほしいこと」を短く共有する
  • 「ヒヤリとしたこと共有会」:月に一度、大きなミスにならなかった「ヒヤリ」を持ち寄り、責めずに仕組みの改善を話し合う。最初は上司が自分の例を出す
  • 職場環境改善のグループ討議:ストレスチェックの集団分析の結果をもとに、部署のメンバーで改善策を話し合い、2〜3個に絞って実行する
  • 相談先の一覧を配る:上司、人事、社外の相談窓口、公的な相談窓口をまとめたカードや掲示物を、入社時と年に一度案内する

厚生労働省の職場改善のためのヒント集(メンタルヘルスアクションチェックリスト)は、全国の改善事例をもとに30項目のヒントを6つの領域に整理したもので、こころの耳から無料でダウンロードできます。グループ討議の進め方の資料もあります。

職場の心理的安全性を高めるときの注意点

心理的安全性は、取り組み方を間違えると逆効果になることがあります。よくあるつまずきを確認しておきましょう。

「何でも許される」と受け取られないようにする

心理的安全性を「注意しない」と取り違えると、仕事の基準が下がり、まじめに働く人ほど不満を抱えます。目標やルールははっきり示し、守られないときは伝えます。そのうえで、伝え方は人格ではなく行動に向け、理由を説明します。基準の高さと話しやすさは両立できます。

ハラスメント対策と一緒に進める

ハラスメントは、心理的安全性を最も大きく損なうものの一つです。厚生労働省のパワーハラスメント防止の指針は、パワハラの原因や背景となる要因を解消するための望ましい取組として、コミュニケーションの活性化や円滑化のための研修などを挙げており、心理的安全性を高める取り組みと重なります。一方で、「本音を言おう」が人を傷つける発言の言い訳になってはいけません。率直さと攻撃的な言動は別のものです。

上司一人に背負わせない

上司だけに「雰囲気を良くしろ」と求めると、その上司が追い込まれます。管理職自身にも、部下対応の悩みを相談できる場が必要です。経営層が率先して失敗を共有する、管理職同士で悩みを話せる場を設けるなど、会社全体で取り組みましょう。

「意味ない」と感じたら、期間と測り方を見直す

「研修をしたのに何も変わらない」と感じる場合、取り組みが一度きりで終わっていたり、効果を確かめる方法がなかったりすることが多いようです。職場の空気は数週間では変わりません。半年から1年ごとに同じアンケートをとり、報告・相談の件数や会議での発言者の数などの変化も見ながら続けることが大切です。

ココロチェックで、言い出しにくい声の受け皿をつくる

心理的安全性を高める取り組みは、上司のふるまいを変えるところから始まります。ただ、上司や同僚には言いにくい悩みはどうしても残りますし、取り組みの効果を部署ごとに確かめるのも、社内だけでは手間がかかります。

ココロチェックは、産業保健の担当者がいない会社のための、法人向けメンタルヘルスサービスです。組織の状態を「測る」ところから、社員が専門家に相談して「癒す」ところまでを、一つのサービスで支えます。

  • 組織の状態を測る:設問に答えるだけで、組織の状態と部署ごとの傾向がわかる組織診断を無料で用意しています。取り組みの前と後の変化を確かめる材料になります
  • 社員の相談先になる:公認心理師・臨床心理士などの専門家に、オンラインで1回30分から相談できます。上司や同僚には話しにくい悩みを打ち明けられる、社外の相談先になります
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職場の心理的安全性のよくある質問

最後に、職場の心理的安全性について、経営者や人事・総務のご担当者からよく寄せられる質問にお答えします。

Q. 心理的安全性とは簡単にいうと何ですか?

チームの中で、質問やミスの報告、反対意見を口にしても責められないと、メンバーが共通して感じられている状態です。言い換えるなら「安心して率直に話せる職場」です。仲が良いことや、厳しいことを言わないこととは違います。

Q. 心理的安全性はいつから注目されていますか?

言葉自体は1960年代の組織研究にも見られますが、職場のチームの概念として広まったのは、エドモンドソン氏の1999年の論文からです。日本の企業で広く話題になったのは、Google が2015年にチームの研究結果を公開して以降です。

Q. 心理的安全性が高すぎると、ぬるま湯になりませんか?

心理的安全性が高くても、仕事の基準が低いままだと、居心地はよくても成長の少ない職場になります。これは心理的安全性が高すぎるのではなく、基準の示し方が足りない状態です。高い目標を示しつつ、途中の質問や失敗の報告を歓迎する、という両立を目指しましょう。

Q. 心理的安全性の高い職場を作るには、何から始めればよいですか?

上司が、報告や相談を受けたときの最初の反応を変えることから始めるのがおすすめです。「言ってくれてありがとう」と受け止める、自分の失敗を先に話す、会議で具体的に意見を聞きに行く、といった行動は費用をかけずに始められます。あわせて短いアンケートで今の状態を測っておくと、変化を確かめられます。

Q. 心理的安全性について、厚生労働省は何か示していますか?

2026年10月時点で、心理的安全性そのものを定めた法律や厚生労働省の指針はありません。ただし、「労働者の心の健康の保持増進のための指針」は管理監督者による職場環境の改善や相談対応を求めており、パワハラ防止の指針はコミュニケーションの活性化を望ましい取組として挙げています。

まとめ:職場の心理的安全性は、上司の一言と小さな仕組みから

職場の心理的安全性について、要点を振り返ります。

  • 心理的安全性とは、質問やミスの報告、反対意見を口にしても責められないとメンバーが共通して感じられている状態で、ぬるま湯とは違い、高い基準と両立させるもの
  • 心理的安全性の高い職場は、困りごとを言い出しやすく、メンタルヘルス不調のサインに早く気づける職場でもある
  • 高める方法は、上司の受け止め方を変える、意見を聞きに行く、失敗を仕組みで振り返る、上司以外の相談先を用意する、の組み合わせで、アンケートで変化を確かめながら続ける

職場の空気は一日では変わりませんが、上司の一言と小さな仕組みの積み重ねで変えていけます。まずは今の状態を知るところから始めてみましょう。

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この記事を書いた人

はたらくこころ研究所 編集部のアバター はたらくこころ研究所 編集部 運営:株式会社remental

はたらくこころ研究所は、株式会社remental が運営する、職場のメンタルヘルスの情報メディアです。編集部では、産業医や保健師などの産業保健の担当者がいない会社で人事・総務・経営を担う方に向けて、ストレスチェック、休職・復職、ハラスメント対策、管理職のラインケアなどの実務をまとめています。
法令や制度に関する記事は、厚生労働省など公的機関が公表している情報をもとに作成し、制度の改正にあわせて見直しています。

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