ラインケアとは?管理職の役割・4つのケア・研修の進め方

ラインケアとは?管理職の役割・4つのケア・研修の進め方

「管理職にもメンタルヘルスの役割を持ってほしいけれど、何をどこまで求めればいいのか分からない」「ラインケア研修をやれと言われたが、中身が決められない」。産業医や保健師がいない会社で人事・総務を担当していると、こうした悩みを一人で抱えがちです。セルフケアも含めた研修全体の組み方は、メンタルヘルス研修の内容と資料の作り方で解説しています。

ラインケアとは、部下と日常的に接する上司(管理職)が、部下の「いつもと違う」様子に気づき、相談に応じ、職場の負担を減らし、必要に応じて専門家へつなぐ取り組みです。厚生労働省の指針が示す「4つのケア」の一つで、管理職に求められるのは、病気を見立てることではなく、気づいて、聴いて、つなぐことです。

この記事では、厚生労働省の指針をもとに、ラインケアの位置づけ、管理職の役割、会社として管理職に何を求めるかの決め方、研修の内容までを、従業員30〜100人の会社の目線で整理しました。

この記事でわかること

  • ラインケアとは何か、4つのケアやセルフケアとの違い
  • ラインケアは義務かどうか、法律と指針での位置づけ
  • 管理職が担う4つの役割と、その具体例
  • 会社が管理職に求める範囲を決める5つのステップ
  • ラインケア研修の内容と、無料で使える教材
目次

ラインケアとは?管理職が担うメンタルヘルスケア

まず、ラインケアの意味と、会社にとっての位置づけを確認しましょう。

ラインケアの意味

ラインケアは、厚生労働省の指針では「ラインによるケア」と呼ばれています。「ライン」とは、日常的に従業員と接する職場の管理監督者、つまり上司や、仕事の指示を出す立場の人のことです。部長や課長といった役職名に限らず、店長、現場のリーダー、プロジェクトの責任者なども含まれます。

指針は、管理監督者が部下の状況をふだんから把握しており、職場ごとの具体的なストレスの原因をつかんで改善できる立場にあることから、職場環境の改善と部下からの相談対応を行うことを求めています。人事・総務が全員を毎日見ることはできませんが、上司なら小さな変化に気づけます。

ラインケアは義務?法律と指針での位置づけ

ラインケアそのものを直接義務づける条文はありません。労働安全衛生法第69条は、従業員の健康の保持増進のための措置を継続的かつ計画的に行うよう、会社に努力義務を課しています。その具体的な進め方として厚生労働省が公表しているのが「労働者の心の健康の保持増進のための指針」(2006年策定、2015年改正)で、ラインケアはこの指針の中に位置づけられています。

つまり、ラインケアは罰則のある義務ではなく、努力義務にもとづく取り組みです。ただし、指針は、会社が管理監督者に対してラインによるケアに関する教育研修や情報提供を行うものとしており、管理職への研修は会社の役割としてはっきり書かれています。また、後で触れる安全配慮義務との関係でも、上司が部下の変化に気づいて動ける体制は、会社を守る土台になります。

小さな会社ほどラインケアが要になる理由

指針は、従業員50人未満の小規模事業場について、セルフケアとラインによるケアを中心に、できるところから取り組むことが望ましいとしています。専門スタッフがいない会社では、上司の気づきと声かけが最も身近な安全網になるからです。

厚生労働省の「令和7年労働安全衛生調査(実態調査)」(2026年8月公表)では、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は63.0%でした。従業員50人以上の事業所では93.7%ですが、30〜49人では72.0%、10〜29人では54.6%にとどまります。規模が小さいほど取り組みが遅れがちで、費用をかけずに始められるラインケアは現実的な一歩になります。

ラインケアと4つのケア、セルフケアとの違い

ラインケアはほかのケアと組み合わさって機能します。全体像を知ると、管理職に任せる範囲の線を引きやすくなります。

ラインケアは「4つのケア」の一つ

指針は、メンタルヘルスケアを次の4つのケアで進めることとしています。

  • セルフケア:従業員が自分のストレスに気づき、対処する
  • ラインによるケア:管理監督者が職場環境の改善や、部下からの相談対応を行う
  • 事業場内産業保健スタッフ等によるケア:産業医、衛生管理者、保健師、人事労務の担当者などが、従業員と管理監督者を支え、取り組みを推進する
  • 事業場外資源によるケア:地域産業保健センターや医療機関、社外の相談機関など、外部の専門家の支援を受ける

4つのケアの具体例や、何から始めるかは、職場のメンタルヘルス対策と4つのケアの解説で全体像をまとめています。この記事では、そのうち管理職が担うラインケアを掘り下げます。

セルフケアとラインケアの違い

セルフケアとラインケアの違いは、ケアをする人と、向ける先です。セルフケアは従業員が自分自身に向けるケア、ラインケアは上司が部下と職場に向けるケアです。

両者は補い合う関係です。部下に自覚がなければ上司が気づいても相談につながりにくく、上司に話しにくい職場では、部下に知識があっても不調が表に出てきません。なお、指針は管理監督者もセルフケアの対象に含めています。

一次予防・二次予防・三次予防とラインケア

職場のメンタルヘルス対策は、不調を未然に防ぐ「一次予防」、早く見つけて対応する「二次予防」、休職した人の職場復帰と再発防止を支える「三次予防」の3段階で考えます。ラインケアは、この3つすべてにかかわります。

  • 一次予防:仕事の量や偏り、人間関係など、職場のストレスの原因を減らす
  • 二次予防:「いつもと違う」様子に早く気づき、話を聴いて専門家につなぐ
  • 三次予防:休職中の連絡や、復職後の業務の調整を、人事や医師と連携して行う

ラインケアで管理職がやること4つ

ここからは、ラインケアで管理職が具体的に何をするのかを、4つの役割に分けて見ていきます。厚生労働省のポータルサイト「こころの耳」のeラーニングも、ほぼ同じ柱で組み立てられています。

役割1:「いつもと違う」部下に気づく

ラインケアの第一歩は、部下の変化に気づくことです。ポイントは、他の人と比べるのではなく、その部下の「ふだん」と比べることです。労働局のパンフレットなどでは、次のような様子が「いつもと違う」サインの例として挙げられています。

  • 遅刻、早退、欠勤が増える。休みの連絡がない
  • 残業や休日出勤が、仕事の量に見合わないほど増える
  • ミスや事故が目立つ。仕事の効率が落ち、結果が出てこない
  • 報告や相談、職場での会話が減る(逆に、急に口数が増えることもある)
  • 表情に元気がない。服装や身だしなみが乱れる
  • 不自然な言動が目立つ

上司は医師ではないので、病名は推測しません。見るのは「遅刻が増えた」「ミスが続く」といった仕事の上の事実です。病気かどうか(疾病性)ではなく、仕事に支障が出ているか(事例性)で見ると、声をかけやすくなります。気づいたあとの声のかけ方や受診のすすめ方は、部下の様子がおかしいときの上司の対応で詳しく扱います。

役割2:部下の相談に応じ、専門家へつなぐ

指針は、管理監督者がふだんから部下の相談に応じるよう努め、特に長時間労働で疲れている人や、強いストレスのかかる出来事があった人からは話を聞き、必要に応じて専門家への相談や受診をすすめるよう求めています。

相談対応で管理職に求められるのは、解決策を出すことよりも、まず否定せずに最後まで聴くことです。次の点を押さえておくと、部下が話しやすくなります。

  • 周りに聞かれない場所と時間を選ぶ
  • 「最近どう?」など、答えやすい問いかけから始める
  • 話をさえぎらず、評価や説教をしない
  • 聴いた内容を、本人の了解なく広めないと約束する
  • 自分だけで抱えず、人事や社外の相談先につなぐ

日ごろから話しやすい関係をつくる場として、定期的な1対1の面談は効果的です。面談で何を話せばよいか迷う管理職には、1on1で話すことと質問の例が参考になります。

役割3:職場環境を把握し、改善する

ラインケアは、不調の人を見つけることだけではありません。指針は、労働時間や仕事の量と質、職場の人間関係(ハラスメントを含む)、風土なども心の健康を左右するとし、上司が部下一人ひとりに過度な負担がかからないよう配慮することを重視しています。

管理職が日常の中でできる改善には、次のようなものがあります。

  • 仕事の量や締め切りが、特定の人に偏っていないか見直す
  • 役割や指示をはっきりさせ、相手を尊重しながら率直に期待を伝える(アサーティブな伝え方)
  • 困ったときに「困っている」と言える雰囲気をつくる
  • 挨拶や声かけを、自分から欠かさず行う

「困っている」と言える雰囲気は、心理的安全性という言葉でも語られます。チームで取り組む方法は職場の心理的安全性の高め方にまとめています。また、ストレスチェックを実施している会社では、部署ごとの集計結果が、どの職場に負担が集まっているかを知る手がかりになります。結果の読み方と職場改善への使い方はストレスチェックの集団分析の見方と活用手順で解説しています。

役割4:休職・復職を支える

部下がメンタル不調で休職した場合、管理職は職場の受け入れ側として、職場復帰を支える役割を担います。休職中は、本人への連絡の窓口や頻度を人事と決めておき、上司が個別に何度も連絡して負担をかけないようにします。

復職の段階では、医師や人事と相談しながら、仕事の量や時間を少しずつ戻していく調整や、周りのメンバーへの説明が必要になります。会社として復職の手順をどう組み立てるかは、復職支援プログラムの作り方で解説します。

会社が管理職に求めるラインケアの範囲を決める5ステップ

ラインケアが回らない会社の多くは、「管理職にメンタルヘルスもお願いします」と伝えるだけで、どこまでやるか、誰に渡すかが決まっていません。ここでは、人事・総務が管理職に求める範囲を決め、仕組みにするまでを5つのステップで整理します。

ステップ1:方針と、管理職に任せる範囲を決める

最初に、会社としてラインケアに取り組むことを、経営者の名前で示します。そのうえで、管理職に求めることと、求めないことを分けて、社内向けの短い手引き(マニュアル)にします。

  • 求めること:部下の変化に気づく、話を聴く、人事や相談先につなぐ、仕事の量や配置を調整する
  • 求めないこと:病気かどうかの判断、受診や治療の強制、本人の同意のない健康情報の共有
  • 迷ったときの原則:一人で判断せず、まず人事・総務に相談する

この線引きがあるだけで、「メンタルの話は専門外」という管理職の不安は軽くなります。

ステップ2:管理職の「つなぎ先」を決めて伝える

ラインケアで最も大事なのは、つなぎ先です。渡す先がなければ、管理職は結局抱え込みます。少なくとも次の連絡先を一覧にして、管理職に渡しておきましょう。

  • 社内の窓口:人事・総務の担当者、衛生推進者など
  • 医師への相談:産業医、または地域産業保健センター(50人未満の事業場は無料で利用できる)
  • 社外の相談先:従業員が会社に知られずに相談できる窓口
  • 公的な相談窓口:厚生労働省「こころの耳」の電話・SNS相談など

ステップ3:ラインケア研修を行う

方針とつなぎ先が決まったら、管理職向けのラインケア研修で伝えます(内容は次の章で紹介します)。新任の管理職には、昇進のタイミングで必ず受けてもらいましょう。

ステップ4:日常の場に組み込む

研修は一度きりでは忘れられます。ラインケアを特別な活動にせず、ふだんの仕事の場に組み込みましょう。

  • 月1回程度の1対1の面談を、全管理職の定例にする
  • 勤怠の変化(遅刻・欠勤・残業の急増)を、人事から管理職へ共有するルールをつくる
  • 管理職会議で、困っている部下への対応を匿名で相談できる時間を設ける

ステップ5:管理職自身を支える

管理職は自分の業務も抱えるプレイングマネージャーであることが多く、部下の相談を受けて自身が疲れてしまうこともあります。管理職が人事に気軽に相談できる場をつくり、管理職自身も社外の相談先を使ってよいことを伝えておきましょう。管理職自身の負担への向き合い方は、中間管理職のストレスと会社ができる対策で取り上げています。

ここまでの5ステップで、管理職に任せる範囲とつなぎ先は整理できます。ただ、従業員が社内の人には言いにくい悩みを話せる先や、管理職自身の相談先までを社内だけで用意するのは、専門スタッフのいない会社には簡単ではありません。社外の相談先をあわせて検討する際の材料として、サービス資料をご用意しています。

資料ダウンロード

管理職の「つなぎ先」づくりに。ココロチェックのサービス資料

ラインケア研修の内容と進め方

ラインケア研修は、指針が会社の役割として明記している取り組みです。何を教えればよいか、小さな会社でどう実施するかを見ていきます。

指針が示す管理監督者向け研修の項目

指針は、管理監督者への教育研修・情報提供の内容として、次のような項目を挙げています(項目は要約)。

  • 会社のメンタルヘルスケアの方針
  • 職場でメンタルヘルスケアを行う意義
  • ストレスとメンタルヘルスケアの基礎知識
  • 管理監督者の役割と、心の健康問題に対する正しい態度
  • 職場環境の評価と改善の方法
  • 部下からの相談への対応(話の聴き方、情報提供や助言の方法など)
  • 心の健康問題で休業した人の職場復帰を支える方法
  • 社内の担当者や社外の専門家との連携の方法
  • 管理監督者自身のセルフケアの方法
  • 社内の相談先と社外の相談先の情報
  • 健康情報を含む個人情報の保護

すべてを一度に扱う必要はありません。初回は方針、役割、気づき方、聴き方、つなぎ先、個人情報の扱いに絞り、職場環境の改善や職場復帰の支援は翌年以降に厚くする、という組み方でもかまいません。

小さな会社向けのラインケア研修プログラム例(90分)

従業員30〜100人の会社で、人事担当者が進行役になる場合の例です。

  • 10分:経営者からの方針の説明と、管理職に任せる範囲
  • 15分:ストレスと不調の基礎知識(公的なeラーニング動画を一緒に視聴する)
  • 20分:「いつもと違う」サインと、事例性で見る考え方
  • 25分:話の聴き方のロールプレイ(2人1組で、部下役と上司役を交代)
  • 10分:つなぎ先の一覧と、人事への相談の手順
  • 10分:個人情報の扱い、管理職自身のセルフケア、質疑応答

ロールプレイは「遅刻が続く部下に声をかける」など自社で起こりそうな場面にすると、自分ごとになります。パワハラ防止の研修と同じ日に行うと、時間も取りやすくなります。管理職向けのハラスメント研修の組み立て方は、ハラスメント研修の内容と無料教材で紹介しています。

無料で使えるラインケア研修の資料・動画・eラーニング

研修の教材は、公的な無料のものから始めると費用をかけずに済みます。

  • こころの耳のeラーニング:厚生労働省のポータルサイト「こころの耳」では、15分でわかるラインによるケアを公開しています。管理監督者の役割、「いつもと違う」部下への気づき、相談への対応、職場環境の改善、職場復帰の支援を短時間で学べます
  • 産業保健総合支援センターの支援:各都道府県の産業保健総合支援センターでは、専門スタッフが事業場を訪問し、管理監督者向けのメンタルヘルス教育を無料で行う支援をしているところがあります。内容や申込方法は地域のセンターに確認しましょう
  • 指針そのもの:研修資料を自作する場合は、厚生労働省の労働者の心の健康の保持増進のための指針を土台にすると、内容に漏れが出にくくなります

ラインケアに資格は必要?

ラインケアを行うのに、管理職が特定の資格を持つ必要はありません。知識を体系的に身につけたい管理職向けには、商工会議所が実施する「メンタルヘルス・マネジメント検定試験」のⅡ種(ラインケアコース)があります。受験は任意で、資格よりも日々の声かけとつなぎの仕組みのほうが大切です。

ラインケアの注意点と、よくある課題

ラインケアは、進め方を誤ると部下を追い詰めたり、会社の責任問題になったりします。管理職に伝えたい注意点です。

管理職が診断や説得をしない

「うつ病じゃないか」と病名を口にしたり、「病院に行かないなら評価に響く」と受診を迫ったりするのは避けましょう。管理職の役割は、仕事の上で起きている事実を伝え、心配していることを示し、相談先を案内するところまでです。受診や相談をするかどうかは、本人が決めることです。

健康情報とプライバシーの扱い

部下から聞いた体調や家庭の事情は、本人にとって知られたくない情報です。指針は、会社が従業員の心の健康に関する情報を得る場合は本人の同意が必要で、健康を守るための配慮以外の目的で使ってはならないとしています。人事や医師と共有するときも、必要な範囲を本人と確認してからにしましょう。

ラインケアと安全配慮義務

会社には、従業員が生命や身体の安全を確保しながら働けるよう必要な配慮をする安全配慮義務があります(労働契約法第5条)。メンタルヘルスもこの配慮の対象と考えられています。上司が不調の兆しに気づきながら何も手を打たなければ、会社として予見できたのに対応しなかったと見られるおそれがあります。気づきを人事に上げ、対応を記録に残す流れは、部下と会社の両方を守ります。メンタル不調で会社の責任が問われる場面は、安全配慮義務とメンタル不調の関係で整理しています。

また、ストレスチェックで高ストレスと判定された部下が医師の面接指導を受け、医師の意見にもとづいて残業制限などの措置をとる場合、実際に業務を調整するのは上司です。面接指導の流れと、上司に伝える情報の範囲はストレスチェックの面接指導の手順で確認できます。

ハラスメントとの関係

上司自身の言動が部下のストレスの原因になっていないかを振り返ることも、ラインケアの一部です。パワーハラスメントの防止措置は、中小企業も2022年4月から義務になっています。厳しすぎる指導だけでなく、部下を避けて関わらない態度も孤立を招きます。

ラインケアが形だけになる会社の課題

ラインケアが形だけになる会社では、研修が一度きりで日常の面談の場がない、管理職が忙しく部下と話す時間がない、上司には言いにくい悩みの相談先がない、といった課題が重なっています。ステップ4・5の仕組みと、上司以外の相談先をあわせて用意しておきましょう。

ココロチェックで、ラインケアの「つなぎ先」と全体像を用意する

ラインケアは、管理職が部下の変化に気づき、話を聴き、専門家へつなぐ取り組みです。ただ、産業保健の担当者がいない会社では、つなぐ先が社内に見当たらないこと、上司には話しにくい悩みの受け皿がないこと、どの部署に負担が集まっているかが見えないことが、課題として残りがちです。

ココロチェックは、産業保健の担当者がいない会社のための、法人向けメンタルヘルスサービスです。組織の状態を「測る」ところから、社員が専門家に相談して「癒す」ところまでを、一つのサービスで支えます。

  • 組織の状態を測る:設問に答えるだけで、組織の状態と部署ごとの傾向がわかる組織診断を無料で用意しています。管理職がどの職場に目を配るべきかを考える材料になります
  • 社員の相談先になる:公認心理師・臨床心理士などの専門家に、オンラインで1回30分から相談できます。管理職が部下を案内する「つなぎ先」になり、管理職自身の相談先としても使えます
  • 人事に個人の情報は渡さない:会社が見られるのは組織単位の傾向だけで、誰が相談したかは本人の同意なく伝わりません。上司や会社に知られたくない悩みでも相談しやすくなります

管理職の気づきと、社外の専門家への相談先がそろうと、ラインケアは「気づいたけれど、どうしよう」で止まらなくなります。まずは無料の組織診断で、どの部署から手を打つべきかを確かめてみませんか。

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ラインケアのよくある質問

ラインケアについて、人事・総務のご担当者からよく寄せられる質問にお答えします。

Q. ラインケアとは簡単に言うと何ですか?

上司が部下の「いつもと違う」様子に気づき、話を聴き、職場の負担を減らし、必要に応じて人事や専門家につなぐことです。厚生労働省の指針では「ラインによるケア」と呼ばれ、4つのケアの一つに位置づけられています。

Q. ラインケアは法律上の義務ですか?

ラインケアを直接義務づける条文はありません。労働安全衛生法第69条の努力義務にもとづいて厚生労働省が示した指針の中の取り組みです。ただし、指針は管理監督者への教育研修を会社が行うものとしており、安全配慮義務の観点からも、上司が部下の変化に気づいて動ける体制は整えておくべきものです。

Q. セルフケアとラインケアの違いは何ですか?

セルフケアは従業員が自分のストレスに気づいて対処すること、ラインケアは上司が部下の変化に気づき、相談対応や職場環境の改善を行うことです。両方がそろうと不調の早期発見につながります。管理職自身もセルフケアの対象です。

Q. ラインケアの具体例を教えてください。

遅刻や欠勤が増えた部下に声をかけて話を聴く、特定の人に偏った仕事を配り直す、月1回の1対1の面談を行う、休職した部下の復職時に業務量を段階的に戻す、などが代表的な例です。

Q. ラインケア研修はどのくらいの頻度で行えばよいですか?

法律で決まった頻度はありません。管理職全員に年1回を目安に行い、新任の管理職には昇進時に受けてもらうと、知識の差が生まれにくくなります。

Q. 同僚同士で気にかけ合うのもラインケアに入りますか?

指針の「ライン」は管理監督者を指すため、同僚同士の声かけはラインケアには含まれません。ただ、同僚の変化に気づいたら声をかけ、相談先を伝えればよいことを全員に共有しておくのは、セルフケアの情報提供とあわせて有効です。

まとめ:ラインケアは管理職に求める範囲とつなぎ先を決めることから

ラインケアについて、要点を振り返ります。

  • ラインケアは、上司が部下の「いつもと違う」に気づき、話を聴き、職場の負担を減らし、専門家へつなぐ取り組みで、厚生労働省の指針が示す4つのケアの一つ
  • 管理職に求めることと求めないこと(診断・説得・同意のない情報共有)を分け、つなぎ先の一覧を渡しておくと、管理職が動きやすくなる
  • ラインケア研修は指針が会社の役割として明記している。公的な無料教材を使い、面談や勤怠の共有など日常の仕組みに組み込む

ラインケアは、管理職ひとりの頑張りに頼るものではありません。会社が範囲とつなぎ先を決め、管理職を支える仕組みをつくることで、はじめて部下を守る力になります。

ラインケアの出発点に、組織の今を知る

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この記事を書いた人

はたらくこころ研究所 編集部のアバター はたらくこころ研究所 編集部 運営:株式会社remental

はたらくこころ研究所は、株式会社remental が運営する、職場のメンタルヘルスの情報メディアです。編集部では、産業医や保健師などの産業保健の担当者がいない会社で人事・総務・経営を担う方に向けて、ストレスチェック、休職・復職、ハラスメント対策、管理職のラインケアなどの実務をまとめています。
法令や制度に関する記事は、厚生労働省など公的機関が公表している情報をもとに作成し、制度の改正にあわせて見直しています。

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