「課長たちがいつも疲れた顔をしている」「部下のケアを管理職に頼んでいるけれど、管理職本人は誰が見ているのだろう」。中間管理職のストレスは、本人だけの問題ではなく、会社としてどう向き合うかが問われるテーマです。
中間管理職は、経営と現場の間に立ち、自分の仕事をこなしながら部下の育成や相談にも応じています。負担が集まりやすい一方で、「管理職なのだから自分で何とかするもの」と見られ、相談先が用意されていないことも少なくありません。会社にできるのは、管理職自身の相談先を用意し、役割を整理し、研修で支え方と休み方を伝えることです。
この記事では、厚生労働省や労働政策研究・研修機構の公的な資料をもとに、中間管理職にストレスが集まる理由、限界に近いときのサイン、会社ができる対策、管理職本人ができるセルフケアまでを、従業員30〜100人の会社の人事・総務の目線で整理しました。ご自身が管理職として悩んでいる方は、後半のセルフケアと相談先の節もあわせてご覧ください。
この記事でわかること
- 中間管理職のストレスに、会社として向き合うべき理由
- 中間管理職にストレスが集まる理由(プレイングマネージャー化、板挟みなど)
- 管理職のストレスが限界に近いときのサイン
- 会社ができる管理職のストレス対策5つ
- 管理職本人ができるセルフケアと、不調になったときの会社の対応
中間管理職のストレスに、会社として向き合うべき理由
はじめに、中間管理職とはどの層を指すのか、そしてなぜ管理職のストレスを会社が気にかける必要があるのかを確認します。
中間管理職とは?どこからどこまでを指すか
中間管理職は、経営層と現場の社員の間に立つ管理職のことです。一般には課長や係長、部長などが当てはまりますが、決まった定義はありません。従業員30〜100人の会社であれば、部長・課長のほか、店長、現場のリーダー、チーム長など、部下を持ちながら上にも報告する立場の人が中間管理職にあたります。
なお、役職としての「管理職」と、労働基準法第41条でいう「管理監督者」は同じではありません。管理監督者は、労働条件の決定や労務管理について経営者と一体的な立場にある人のことで、役職名ではなく、職務の内容や権限、勤務の実態で判断されます。管理監督者には労働時間・休憩・休日の規定が適用されませんが、深夜業の割増賃金や年次有給休暇の規定は適用されます。
管理職のストレスは職場全体に広がる
厚生労働省の「令和7年労働安全衛生調査(実態調査)」(2026年8月公表)では、仕事や職業生活に強い不安、悩み、ストレスを感じる事柄がある労働者は67.5%でした。内容は「仕事の量」と「仕事の失敗、責任の発生等」がともに39.5%で最も多く、「対人関係(セクハラ・パワハラを含む。)」が32.9%で続きます。仕事の量、責任、人間関係は、どれも中間管理職に重なりやすいものです。
同じ調査で、ストレスを相談できる相手として「上司」を挙げた人は63.8%で、「家族・友人」の74.8%に次ぐ多さでした。部下の相談を受け止めているのは管理職です。その管理職が余裕をなくすと、部下の変化に気づけなくなり、相談もしにくくなります。上司のストレスは、管理職一人の問題では終わりません。中間管理職が病んで休職したり、辞めていったりすれば、その下の部下の負担も一気に増えます。
管理職も会社が守る対象
厚生労働省の「労働者の心の健康の保持増進のための指針」は、管理職を部下のケアをする側として位置づけるだけでなく、管理監督者にとってもセルフケアは重要であり、セルフケアの対象に管理監督者も含めるよう会社に求めています。あわせて、産業医や保健師などの産業保健スタッフが、管理職からの相談にも気を配るべきことにも触れています。
労働時間の面でも、労働安全衛生法は、管理監督者を含むすべての労働者の労働時間の状況を把握するよう会社に義務づけています(第66条の8の3)。「管理職は自己管理」で済ませず、会社が見守る対象として扱うことが前提です。
中間管理職にストレスが集まる理由
中間管理職のストレスは「なぜ」生まれるのか。公的な調査からわかることを中心に、よくある原因を整理します。原因がわかると、会社としてどこを変えればよいかが見えてきます。
プレイングマネージャー化で、時間が足りない
労働政策研究・研修機構(JILPT)が管理職50人に行ったヒアリング調査(資料シリーズNo.254「管理職ヒアリング調査結果」、2022年3月公表)では、多くの管理職が実務も兼ねるプレイングマネージャーで、管理業務の多さから忙しく、労働時間も長くなりがちだったと報告されています。
プレイングマネージャーとは、部下の管理をしながら、自分も営業や制作などの実務を担う管理職のことです。人数の少ない会社では、管理職が一番の稼ぎ手であることも多く、実務を手放せません。その上に、部下の育成、会議、報告書、勤怠の確認が重なると、部下と話す時間や自分の休む時間が先に削られていきます。
経営と現場の板挟み
中間管理職は、会社の方針や目標を現場に伝え、現場の声を経営に伝える役割を担います。経営からは成果を求められ、現場からは「人が足りない」「この目標は無理だ」と言われる。どちらの言い分もわかるからこそ、間に立つ管理職が板挟みになり、つらさを抱えがちです。
方針が変わった理由を十分に知らされないまま、部下への説明だけを任される場面もあります。納得できないことを自分の言葉で伝えなければならないのは、大きなストレスになります。
働き方改革のしわ寄せが管理職に来る
前述のJILPTの調査は、一般社員の残業を減らしても、仕事そのものの見直しが伴わないと、減った分が管理職の負担の増加など、形を変えた負荷として表れかねないと指摘しています。
部下を定時で帰した分の仕事を、管理職が引き取っているケースです。部下の残業が減ったという数字だけを見ていると、管理職の負担の増加は見落とされます。
権限は小さいのに、責任は重い
同じ調査では、予算や人員などに関する自分への権限の不足が、業務の効率化などを進めるうえでの課題として管理職に認識されていました。人を増やせない、仕事の配分を変えられない、それでも結果の責任は負う。この「責任と裁量のずれ」は、中間管理職のストレスの典型的な形です。管理職が「罰ゲーム」「割に合わない」と言われる背景にも、こうしたずれがあります。
部下のメンタル、ハラスメント、顧客対応も上司の仕事に
部下の不調への気づき、ハラスメントの相談、顧客からの理不尽な要求への対応など、管理職が受け止める問題は増えています。2026年10月1日からはカスタマーハラスメント対策が会社の義務になりましたが、現場で最初に対応するのは多くの場合、管理職です。少し注意しただけで落ち込む部下に、メンタルが弱い部下への接し方がわからず気をつかい続けることも、管理職の気疲れを大きくします。
また、管理職自身がハラスメントを受けることもあります。厚生労働省のパワハラ防止の指針は、同僚や部下からの言動でも、その人が業務上必要な知識や豊富な経験を持っていて協力を得なければ業務が円滑に進まない場合や、集団による行為で抵抗や拒絶が難しい場合は、「優越的な関係を背景とした」言動にあたりうるとしています。部下との人間関係のストレスも、管理職のストレスの大きな要因です。
相談できる相手がいない
一般社員なら上司に相談できますが、管理職は上司に弱音を吐くと評価に響くと考え、部下には頼れないと感じがちです。同じ立場の管理職が社内に少ない小さな会社では、さらに孤立しやすくなります。悩みを抱え込むうちに、気づいたときには限界に近い、ということも起こります。
管理職のストレスが限界に近いときのサイン
管理職は責任感から不調を隠しがちで、周りが気づいたときには休職寸前、ということもあります。人事や経営者、上の上司が見ておきたい「いつもと違う」サインをまとめました。これは病気かどうかを判断するためのものではなく、声をかけるきっかけをつかむためのものです。
働き方に出るサイン
- 深夜や休日のメール・チャットが増えた
- 有給休暇をほとんど取っていない、休日出勤が続いている
- 会議や締め切りに遅れる、判断を先送りすることが増えた
- 部下に任せず、仕事を一人で抱え込んでいる
- ミスや確認漏れが、以前より目立つ
言動・人付き合いに出るサイン
- 部下に対してイライラした言い方や、きつい口調が増えた
- 会議で発言しなくなった、表情が乏しくなった
- 「もう無理」「辞めたい」といった言葉が出る
- 雑談や飲み会など、人との関わりを避けるようになった
心身に出るサイン
- 「眠れない」「疲れが取れない」と口にする
- 体調不良による遅刻や早退、欠勤が増えた
- 顔色が悪い、急にやせた、身だしなみに気を配らなくなった
サインに気づいたら、人事はどう動くか
サインがいくつか重なり、2週間ほど続いているようなら、早めに声をかけましょう。声をかけるのは、本人が話しやすい人であれば、人事でも、上の上司でも、経営者でもかまいません。「最近遅くまで残っていることが多いようですが、仕事の量はどうですか」と、気づいた事実と心配している気持ちを伝え、責めずに話を聴きます。
話を聴いたら、仕事の量や配分を一緒に見直し、社内外の相談先を伝えます。不調が疑われるときは、病名を推測せず、医療機関や専門家への相談をすすめます。声のかけ方や相談の受け方は、部下への対応と基本は同じです。具体的な言い回しは部下の様子がおかしいときの不調のサインと声かけ例文が参考になります。
会社ができる管理職のストレス対策5つ
管理職のストレス対策は、本人の頑張りに任せるのではなく、会社が仕組みとして用意するものです。従業員30〜100人の会社でも取り組みやすい順に、5つの対策を紹介します。
対策1:管理職自身の相談先を用意する
まず、管理職が「困った」と言える先をつくります。部下には上司という相談先がありますが、管理職には決まった相談先がないことが多いためです。
- 人事・総務の担当者を、管理職の相談役として明確に決めて伝える
- 社長や役員と、評価とは切り離して話せる定期的な場を設ける
- 社内の人には話しにくい悩みのために、社外の専門家の相談先を用意する
- 公的な相談窓口(下記)を、管理職向けの案内にも載せる
公的な窓口としては、厚生労働省の働く人の「こころの耳電話相談」(0120-565-455、平日17時〜22時、土日10時〜16時。祝日・年末年始を除く)があります。働く人やその家族、企業の人事労務担当者が対象で、SNSやメールでの相談も受け付けています。社外の専門家に相談できる仕組みを会社として用意する方法には、EAP(従業員支援プログラム)などもあります。
対策2:役割を整理し、プレイング業務を減らす
ストレスの原因が仕事の量と責任の重さにあるなら、根本の対策は役割の整理です。管理職の仕事を書き出し、「管理職でなければできない仕事」と「ほかの人に任せられる仕事」に分けてみましょう。
- 管理職が担っている実務(プレイング業務)を一覧にし、部下や他部署に移せるものを決める
- 報告書や会議を見直し、管理職が出なくてよい会議を減らす
- 部下の人数が多すぎる場合は、リーダー役を置いて見る範囲を分ける
- 予算や人員について、管理職が決めてよい範囲(権限)をはっきりさせる
- 目標を決めるときに、人員や時間の現実を管理職と一緒に確認する
権限を渡すと、管理職は自分で状況を変えられるようになります。「責任だけが重い」状態を減らすことが、中間管理職のストレスを和らげる近道です。
対策3:管理職の労働時間を把握し、長時間労働を防ぐ
労働基準法上の管理監督者にあたる管理職でも、労働安全衛生法にもとづき、会社は労働時間の状況を把握しなければなりません。タイムカードやパソコンの使用時間の記録など、客観的な方法で把握するのが原則です。
時間外・休日労働が月80時間を超え、疲労の蓄積が認められる人が申し出た場合、会社は医師による面接指導を行う義務があります。これは管理職も対象です。産業医がいない会社では、地域産業保健センターに相談できます。
管理職の時間も、一般社員と同じように毎月確認しましょう。深夜や休日のメール送信が多い管理職には、人事から声をかけるきっかけになります。会社全体での長時間労働の減らし方は、長時間労働の対策でまとめています。
対策4:管理職研修で、部下の支え方と自分の守り方を学ぶ
管理職研修というと、部下の育成やラインケア(上司による部下のメンタルヘルスケア)を学ぶ場と考えられがちです。しかし、前述の指針が示すとおり、管理職自身もセルフケアの対象です。研修には、部下の支え方とあわせて、管理職が自分のストレスに気づき、休み、相談する方法も入れましょう。
- 中間管理職が抱えやすいストレスと、そのサイン
- 自分のストレスへの気づき方と、対処の仕方
- 一人で抱えず、人事や社外に相談してよいこと
- 部下の「いつもと違う」への気づき方と、つなぎ先
初めて部下を持つ若手管理職や、昇進したばかりの管理職には、とくに早めに受けてもらうと安心です。
ラインケアで管理職に求める範囲を決めておくことも、負担を軽くします。部下の不調に「気づいて、聴いて、つなぐ」までが役割で、診断や説得は求めないとはっきりさせると、管理職は抱え込まずに済みます。管理職に何を求め、何を求めないかはラインケアとは?管理職の役割と研修の進め方で整理しています。研修の組み立て方や無料の教材は、メンタルヘルス研修の内容と進め方を参考にしてください。
対策5:管理職同士、人事と話せる場をつくる
孤立を防ぐには、同じ立場の人と悩みを共有できる場が役立ちます。月1回の管理職会議の最後に、困っている部下への対応や、自分の業務の悩みを話せる時間を設けるだけでも、「自分だけではない」と感じられます。
人事や上の上司が、管理職と定期的に1対1で話すのも有効です。部下との1on1と同じように、評価の場とは切り離し、業務量、困っていること、体調を聞きます。質問の例は1on1で話すことと上司が使える質問集が使えます。また、管理職が「できない」「困っている」と言っても責められない雰囲気は、心理的安全性という考え方とも重なります。チームでの高め方は心理的安全性の高い職場のつくり方で紹介しています。
ここまでの5つの対策のうち、役割の整理や時間の把握は社内で進められます。一方で、上司にも部下にも言いにくい悩みを話せる社外の相談先や、どの部署の管理職に負担が集まっているかを確かめる手段までを、専門スタッフのいない会社が自前で用意するのは簡単ではありません。社外の相談先をあわせて検討する際の材料として、サービス資料をご用意しています。
資料ダウンロード
管理職の相談先づくりに。ココロチェックのサービス資料
管理職本人ができるセルフケアとストレス解消法
会社の仕組みとあわせて、管理職自身ができるメンタルケアもあります。研修や面談で管理職に伝える内容として、またご自身が中間管理職として悩んでいる方のヒントとして、セルフケアのポイントを紹介します。
抱えている仕事と気持ちを書き出す
頭の中だけで考えていると、仕事も悩みも実際より大きく感じられます。抱えている仕事を書き出し、「自分でなければできないこと」「任せられること」「やめてもよいこと」に分けると、手放せるものが見えてきます。気持ちも同じで、何にイライラし、何が不安なのかを書き出すと、整理しやすくなります。
「全部自分で」をやめて、任せる・頼る
責任感の強い管理職ほど、「自分がやったほうが早い」と仕事を抱え込みます。部下に任せることは、部下の育成にもなります。上司に「この量は一人では難しい」と伝えるのも、管理職の大切な仕事の一つです。
休む時間を先に決める
忙しい管理職は、休みを後回しにしがちです。睡眠時間を確保し、休日には仕事の連絡を見ない時間をつくるなど、休む時間を先に予定に入れましょう。運動や趣味など、仕事から離れて気持ちを切り替えられる時間を持つことも、ストレス解消に役立ちます。
つらいときは早めに相談する
眠れない、食欲がない、気分の落ち込みが続く、といった状態が続くときは、一人で抱えず、人事や家族、社外の相談窓口、医療機関に早めに相談してください。厚生労働省の「こころの耳」には、15分ほどでセルフケアの基本を学べる教材もあります。
管理職がメンタル不調になったときの会社の対応
対策をしていても、管理職が不調になることはあります。そのときに会社が慌てないよう、対応の流れと注意点を押さえておきましょう。
業務を調整し、必要なら休職へ
医療機関を受診し、医師から休養が必要と言われた場合は、本人の体調を最優先に、業務の調整や休職を検討します。管理職だからといって、休職の手続きが特別になるわけではありません。就業規則の休職の定めに沿って進めます。
不調の管理職が「部下に迷惑をかけられない」と休むのをためらうことは少なくありません。会社から「休んでよい」「代わりの体制は会社が考える」と伝えることが、本人の回復の助けになります。
管理職の代わりの体制を決める
管理職が休むと、部下への指示や判断が止まります。上の上司が一時的に兼務する、リーダー役に一部の権限を渡すなど、代わりの体制を早めに決めて部下に伝えましょう。ふだんから管理職の仕事を一人に集めないことが、こうした事態への備えにもなります。
降格や役職の見直しは慎重に
メンタル不調をきっかけに、管理職からの降格や役職の見直しが話題になることがあります。役職を外すことは本人の処遇や気持ちに大きく影響し、トラブルにもなりやすい判断です。主治医の意見、就業規則の定め、本人の希望を踏まえて話し合い、必要に応じて社会保険労務士や弁護士などの専門家に相談したうえで決めましょう。復職時に一時的に業務の範囲を減らすなど、降格以外の調整の方法もあります。
ココロチェックで、管理職がひとりで抱えない仕組みをつくる
中間管理職のストレスは、プレイングマネージャー化や板挟み、相談先のなさが重なって生まれます。役割の整理や時間の把握は社内で進められますが、管理職が上司にも部下にも言いにくい悩みを話せる先や、どの部署に負担が集まっているかを知る手段は、社内だけでは用意しにくいものです。
ココロチェックは、産業保健の担当者がいない会社のための、法人向けメンタルヘルスサービスです。組織の状態を「測る」ところから、社員が専門家に相談して「癒す」ところまでを、一つのサービスで支えます。
- 組織の状態を測る:設問に答えるだけで、組織の状態と部署ごとの傾向がわかる組織診断を無料で用意しています。どの部署の管理職に負担が集まっていそうかを考える材料になります
- 社員の相談先になる:公認心理師・臨床心理士などの専門家に、オンラインで1回30分から相談できます。管理職自身が、社内の人に話しにくい悩みを相談する先として使えます
- 人事に個人の情報は渡さない:会社が見られるのは組織単位の傾向だけで、誰が相談したかは本人の同意なく伝わりません。評価への影響を気にする管理職も相談しやすくなります
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中間管理職のストレスのよくある質問
中間管理職や管理職のストレスについて、人事・総務のご担当者からよく寄せられる質問にお答えします。
Q. 中間管理職は、なぜストレスが多いのですか?
経営と現場の板挟みになりやすいこと、実務と管理の両方を担うプレイングマネージャーが多く時間が足りないこと、権限が小さいのに責任が重いこと、相談できる相手が少ないことが重なるためです。働き方改革で部下の残業が減った分を、管理職が引き取っているケースもあります。
Q. 管理職もストレスチェックの対象になりますか?
なります。ストレスチェックの対象は常時使用する労働者で、課長や部長などの管理職も含まれます。結果は本人の同意なく会社に伝わらないため、管理職にも安心して受けるよう伝えましょう。部署ごとの集計結果を見るときは、その部署の管理職を責める材料にせず、負担の偏りを見つける手がかりとして使うことが大切です。
Q. 中間管理職が「辞めたい」と言ってきたら、どうすればいいですか?
まずは評価や引き止めの話を急がず、何がつらいのかを聴きます。仕事の量、権限、人間関係、体調など、原因によって打てる手は変わります。役割の整理や業務の分担で解決できることもあります。眠れない、気分の落ち込みが続くなど不調がうかがえるときは、専門家や医療機関への相談をすすめてください。
Q. 管理職のストレス耐性は、研修で高められますか?
ストレスへの強さは人によって違い、研修だけで大きく変えられるものではありません。それよりも、自分のストレスに早く気づく方法、相談してよいこと、休み方を研修で伝え、役割の整理や相談先の用意など、職場の側の負担を減らす取り組みとあわせて進めることが大切です。
Q. 管理職がうつ病などで休職した場合、降格させてもいいですか?
一律に判断できるものではなく、慎重な対応が必要です。役職を外すことは本人への影響が大きく、トラブルにもなりやすい判断です。就業規則の定め、主治医の意見、本人の希望を踏まえて話し合い、必要に応じて社会保険労務士や弁護士に相談しましょう。
まとめ:中間管理職のストレスは、会社が仕組みで支える
中間管理職のストレスについて、要点を振り返ります。
- 中間管理職のストレスは、プレイングマネージャー化、経営と現場の板挟み、権限と責任のずれ、相談先のなさが重なって生まれる。部下の相談相手である管理職が余裕をなくすと、職場全体に影響する
- 会社ができる対策は、管理職自身の相談先を用意する、役割を整理してプレイング業務を減らす、労働時間を把握する、研修で支え方と休み方を伝える、管理職同士や人事と話せる場をつくる、の5つ
- 管理職も、指針でセルフケアの対象とされ、労働時間の把握の対象でもある。「管理職だから自分で何とかする」ではなく、会社が見守る対象として扱う
管理職が安心して「困った」と言える会社は、部下も相談しやすい会社です。自社の対策に抜けがないかを確かめたいときは、メンタルヘルス対策の無料チェックツールもお使いください。
管理職を支える一歩に、組織の今を知る
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