ワークエンゲージメントとは?3要素・測り方・高める方法

ワークエンゲージメントとは?3要素・測り方・高める方法

「経営者から、社員のワークエンゲージメントを上げたいと言われた」「エンゲージメントという言葉が多すぎて、何が違うのか説明できない」。人事・総務の担当者がまず困るのは、言葉の意味と、会社として何から手をつけるかではないでしょうか。

ワークエンゲージメントとは、仕事にかかわる前向きで充実した心の状態のことで、「活力」「熱意」「没頭」の3つがそろった状態を指します。オランダ・ユトレヒト大学のシャウフェリ教授らが提唱した学術的な概念で、厚生労働省の「令和元年版 労働経済の分析」では「働きがい」をとらえる指標として取り上げられました。高めるには、裁量や上司のフィードバックといった「仕事の資源」を会社が整えることが鍵になるとされています。

この記事では、ワークエンゲージメントの意味、似た言葉との違い、測り方、高める要因と会社の取り組みを、従業員30〜100人の会社の目線で整理します。

この記事でわかること

  • ワークエンゲージメントの意味と、活力・熱意・没頭の3つの要素
  • バーンアウト、ワーカホリズム、従業員エンゲージメントとの違い
  • 厚生労働省の白書が示したワークエンゲージメントと定着・生産性の関係
  • UWES(ユトレヒト・ワーク・エンゲージメント尺度)などの測り方
  • 仕事の要求度-資源モデルと、会社ができる具体的な取り組み
目次

ワークエンゲージメントとは?意味と3つの要素

まず、提唱者の定義と厚生労働省の説明から、言葉の意味を確認します。

ワークエンゲージメントの意味

ワークエンゲージメント(work engagement)は心理学の研究から生まれた概念で、白書によれば、2002年にシャウフェリ(Schaufeli)教授らによって確立されました。不調の側面ではなく、いきいきと働いている状態そのものに目を向けた点が特徴です。

提唱者による UWES のマニュアルでは、ワークエンゲージメントは「仕事に関連するポジティブで充実した心理状態」であり、活力・熱意・没頭によって特徴づけられると定義されています。一時的な気分ではなく、仕事全般に向けられた持続的な状態を指す点も特徴です。厚生労働省の白書などでは「ワーク・エンゲイジメント」と表記されますが、同じものです。

活力・熱意・没頭の3つの要素

3つの要素は次のとおりです。

  • 活力:仕事をしているとエネルギーがわいてくる。困難があっても粘り強く取り組める
  • 熱意:自分の仕事に意義や誇りを感じ、やりがいを持って向き合っている
  • 没頭:仕事に集中し、気づくと時間がたっているほど打ち込んでいる

ポイントは3つが同時にそろっていることです。やりがいはあっても毎日疲れ切っている、という状態は当てはまりません。

ワークエンゲージメントの言い換えは「働きがい」

日本語での言い換えとしてよく使われるのが「働きがい」です。白書も、ワークエンゲージメントが表す状態を「働きがい」のある状態と位置づけています。社内では「働きがいを研究の物差しで表したもの」と説明すると通じやすくなります。

ワークエンゲージメントとバーンアウト・ワーカホリズムの違い

ワークエンゲージメントは、似た言葉と並べると輪郭がはっきりします。

「活動水準」と「仕事への態度」の2軸で整理する

白書は、活動水準(どれだけエネルギーを注いでいるか)と、仕事への態度・認知(仕事を肯定的に受け止めているか)の2軸で、4つの状態を整理しています。

  • ワークエンゲージメント:活動水準が高く、仕事への態度も肯定的
  • ワーカホリズム:活動水準は高いが、仕事への態度は否定的
  • バーンアウト:活動水準が低く、仕事への態度も否定的
  • 職務満足感:仕事への態度は肯定的だが、活動水準は高くない

バーンアウト(燃え尽き)との違い

バーンアウトは、仕事にエネルギーを使いすぎた結果、疲れ果て、仕事への関心や自信を失った状態です。ワークエンゲージメントとは、ちょうど反対の位置にあります。

ただし提唱者のマニュアルは、両者を別々に測るべき概念としています。「燃え尽きていない」ことは、そのまま「いきいき働いている」ことを意味しません。不調がないかと、働きがいがあるかは、分けて見る必要があります。

ワーカホリズム(働きすぎ)との違い

ワーカホリズムは、強迫的に、過度に働いてしまう傾向です。よく働くという点ではワークエンゲージメントと似ていますが、動機が違います。ワーカホリックな人は「休むと罪悪感がある」「働かなければならない」という内側からの強い衝動で働き、ワークエンゲージメントの高い人は、仕事が楽しく意義を感じるから働く、と整理されています。

外からはどちらも「遅くまで熱心に働く人」に見えるため、長時間労働を働きがいの高さと取り違えないことが大切です。

職務満足感・モチベーションとの違い

職務満足感は、仕事を振り返って評価したときの満足の気持ちです。ワークエンゲージメントが仕事を「しているとき」の状態を指すのに対し、職務満足感は没頭までは含みません。待遇に満足していても、仕事に打ち込めているとは限りません。

ワークモチベーションは人を行動へ向かわせる心の過程で、ワークエンゲージメントはその結果として本人が感じている状態に注目する点が違います。

ワークエンゲージメントと従業員エンゲージメントの違い

「エンゲージメント」という言葉は、人事の現場で意味の違う2つのものに使われています。

対象が「仕事」か「会社」か

ワークエンゲージメントが見ているのは、働く人と「仕事」の結びつきです。これに対して従業員エンゲージメントは、仕事への前向きさだけでなく、会社の方針に共感しているか、この会社のために力を尽くしたいか、といった会社との結びつきまで含めて語られるのが一般的です。

  • ワークエンゲージメント:研究で定義された概念。対象は仕事。活力・熱意・没頭で表す
  • 従業員エンゲージメント:エンプロイー・エンゲージメント、組織エンゲージメントとも。企業や調査会社で広く使われる言葉。対象は仕事と会社。定義は使う側によって幅がある

白書によれば、エンゲージメントという言葉は当初コンサルタント業界で使われ始め、その後、研究者が独自の概念として定義し直した経緯があります。

自社ではどちらを測るかを先に決める

「エンゲージメントを上げたい」と言われたら、仕事へのやりがいを見たいのか、会社への信頼や愛着を見たいのかを確認しましょう。前者ならワークエンゲージメントの尺度、後者なら会社への共感や定着の意向を尋ねる設問が合います。

従業員エンゲージメントを測る調査の進め方や設問例は、エンゲージメントサーベイの質問例とストレスチェックとの違いで解説しています。人材への投資の成果を示す指標としての位置づけは、人的資本経営の考え方で整理しています。

厚生労働省の白書が示したワークエンゲージメント

厚生労働省が2019年に公表した「令和元年版 労働経済の分析」(労働経済白書)は、第II部第3章でワークエンゲージメントを軸に「働きがい」を分析しています。

白書が「働きがい」の物差しとして使った

白書は、労働政策研究・研修機構の2019年の調査をもとに、UWES の超短縮版を参考にした3つの質問から「ワーク・エンゲイジメント・スコア」を算出しました。たとえば活力については「仕事をしていると、活力がみなぎるように感じる」と尋ねています(令和元年版 労働経済の分析 第II部第3章)。

日本の正社員のワークエンゲージメント・スコア

白書の集計では、正社員全体のスコアは3.42でした(0〜6点の範囲で、1項目あたりの平均)。要素別では熱意が3.92と最も高く、没頭が3.55、活力が2.78と最も低くなっています。やりがいはあっても、仕事から活力を得ている人は少ない姿がうかがえます。

年齢や役職が上がるほどスコアが高くなる傾向があり、白書は仕事への自信や成長の実感、仕事を自分でコントロールできる度合いの高まりが影響している可能性を挙げています。一方、企業規模によるはっきりした傾向は見られず、中小企業だから働きがいが低いとはいえません。

定着・生産性・健康との関係(相関であって因果ではない)

白書は、ワークエンゲージメント・スコアと、次のような項目との関係を分析しています。

  • 定着:スコアが高いほど、会社への愛着が強く、入社3年後の新人の定着率が高く、離職率が低い傾向
  • 生産性:ほかの要因を考慮して分析しても、企業の労働生産性と関係している可能性
  • 健康:スコアが高いほど、仕事中に強いストレスや疲れを感じる度合いが低い傾向
  • 働きすぎ:ワーカホリズムのスコアとも同じ向きの関係があり、働きすぎにつながる場合もある

ただし白書自身が、いずれも逆方向の因果関係の可能性に注意が必要だとしています。「働きがいが高いから定着する」のか「定着した人ほど働きがいが高い」のかは区別できません。経営者には「上げれば離職が減る」ではなく、「定着や生産性と関係がある指標」と伝えるのが正確です。

日本のワークエンゲージメントは低い?

白書のコラムは、16か国を比べた研究で日本のスコアが相対的に低いことを紹介しつつ、前向きな気持ちを表に出すのを控える文化の影響もありうるとして、幅をもった解釈を求めています。実務では、他国との比較より自社の数字の変化を見るほうが役に立ちます。

また白書は、人手が足りている企業でも、会社が見込むほどには正社員が働きがいを感じていない可能性があるとしています。「問題が起きていないから大丈夫」と考えず、本人たちに尋ねてみる意味がここにあります。

ワークエンゲージメントの測り方

ワークエンゲージメントは、本人が答える質問票で測るのが一般的です。代表的な方法を2つ紹介します。

ユトレヒト・ワーク・エンゲージメント尺度(UWES)とは

UWES(Utrecht Work Engagement Scale)は、ワークエンゲージメントを測る尺度として最も広く使われているものです。活力・熱意・没頭のそれぞれについて、仕事中にそう感じる頻度を「全くない」から「いつも感じる」までの7段階(0〜6点)で答えてもらいます。日本語版もあります。

UWESの17項目版・9項目版・3項目版(短縮版)

UWES には、長さの違う版があります。

  • 17項目版:活力・熱意・没頭を合わせて17問で測る基本の版
  • 9項目版(短縮版):3つの要素を3問ずつ、計9問で測る
  • 3項目版(超短縮版):計3問で測る。白書のスコアはこの版を参考にしている

回答の負担を考えると、中小企業では9項目版や3項目版が現実的です。

UWESを使うときの利用条件

提唱者が配布する UWES の資料には、営利目的ではない学術研究には自由に使えるが、営利目的や学術研究以外での使用には著者の書面による許可が必要、と明記されています。社内の人事施策や外部の調査に組み込む場合は、この条件にあたるかを事前に確認し、設問を無断で社内アンケートに転載しないようにしましょう。

新職業性ストレス簡易調査票(80項目)での測り方

ストレスチェックの調査票を「新職業性ストレス簡易調査票(80項目)」にする方法もあります。厚生労働科学研究で開発されたこの調査票には、ワーク・エンゲイジメントを尋ねる2問が入っており、その平均を得点にします。仕事のコントロールや上司のサポート、ほめてもらえる職場かどうかといった「仕事の資源」も、作業・部署・事業場の3つのレベルで尋ねます(こころの耳「現行および新職業性ストレス簡易調査票の得点計算」)。負担と資源と働きがいを一度に見られます。

ワークエンゲージメントを高める要因:仕事の要求度-資源モデル

ワークエンゲージメントが何によって高まるのかを説明する代表的な考え方が、「仕事の要求度-資源モデル」です。白書もこのモデルを分析の土台にしています。

仕事の要求度-資源モデル(JD-Rモデル)とは

JD-Rモデル(Job Demands-Resources model)は、2001年にデメルーティ、バッカー、シャウフェリらが提唱したモデルで、仕事の特徴を「要求度」と「資源」に分けて考えます。

  • 仕事の要求度:仕事のプレッシャー、対人対応の感情面の負担、精神的・肉体的な負担など。対応できる範囲を超えるとストレスにつながる
  • 仕事の資源:裁量、仕事ぶりへのフィードバック、上司や同僚の支え、正当な評価、キャリアを伸ばす機会など

要求度が高く資源が足りないと、ストレスが高まり働きがいも下がります。一方、白書が紹介する研究では、仕事の資源が豊かなら、要求度が高くてもワークエンゲージメントは高まるとされています。負担を急に減らせない会社ほど、資源を増やす視点が大切です。

仕事の資源:裁量・フィードバック・上司の支え

仕事の資源は、会社や上司が直接手を入れやすい部分です。白書で、ワークエンゲージメント・スコアとの正の相関がうかがえたとされる取り組みには、次のようなものがあります。

  • 職場の人間関係やコミュニケーションを円滑にする取り組み
  • 労働時間の短縮や、働き方の柔軟化
  • 仕事を進めるうえでの裁量を広げること
  • 指導役や教育係の配置(メンター制度など)
  • キャリアの相談による将来の見通しの明確化
  • 会社としての人材育成の方針・計画づくり

個人の資源:自己効力感・楽観性・レジリエンス・希望

個人の資源とは、働く人自身が持っている前向きな心の力です。白書では、仕事への自信(自己効力感)、物事を前向きにとらえる力(楽観性)、逆境から立ち直る力(レジリエンス)、目標に向かって道筋を考え続ける力(希望)の4つが挙げられています。

個人の資源は性格の問題と思われがちですが、仕事を通じて育つ面があります。白書でも、成長の実感、仕事への自信、社内でのキャリアの見通しを感じる頻度が高い人ほど、スコアが高い傾向がありました。

研究では、2つの資源は互いを強め合い、働きがいが高まると本人が自分から動くようになって、さらに資源が増える好循環(獲得のスパイラル)も指摘されています。小さな資源を積み重ねる発想が合っています。

会社ができるワークエンゲージメント向上の取り組み

白書の分析と仕事の要求度-資源モデルをもとに、従業員30〜100人の会社で始めやすい取り組みを整理します。どれも必ず上がると約束するものではなく、資源を増やす方向に職場を動かす手立てです。

ステップ1:負担と資源の両方を把握する

最初に、職場で何が負担になり、何が支えになっているかを知ります。ストレスチェックの集団分析は、仕事の量やコントロール、上司や同僚の支えを部署ごとに見られるため、資源の把握にも使えます。50人未満の事業場でも、ストレスチェックは2028年4月1日から義務になります。

厚生労働省の「令和7年労働安全衛生調査(実態調査)」では、強いストレスを感じる労働者は67.5%で、内容は「仕事の量」と「仕事の失敗、責任の発生等」がともに39.5%でした。過大な負担が放置されていないかを確かめることが、働きがいの土台になります。

ステップ2:上司のフィードバックと1on1を習慣にする

白書は、成長の実感や仕事への自信を高めるには、日常の仕事への上司のフィードバックが比較的多いことが大切だとしています。やり方として挙げられているのは、具体的な行動について、その意味や重要性を伝えながら、行動の直後にほめることです。こうした声かけを習慣にする場として、定期的な1対1の面談が使えます。面談で取り上げるテーマや質問の例は、1on1で話すことと上司が使える質問集にまとめています。

ステップ3:裁量を広げ、意見を言いやすい職場にする

仕事の進め方を自分で決められる範囲を広げることは、仕事の資源を増やす代表的な方法です。細かい手順の指示をやめて目的と期限だけを伝える、改善案を出した人に試してもらう、といったことから始められます。ただし、失敗や反対意見を口にできない職場では、裁量は資源として生きません。意見や困りごとを言っても不利にならないと感じられる職場づくりは、心理的安全性の高い職場の特徴と高める方法で詳しく扱っています。

ステップ4:キャリアの見通しを話し合う機会をつくる

白書は、ライフステージが変わる節目などに、今後のキャリアや働き方の希望を会社と本人が話し合うことが、キャリアの見通しを持つうえで大切だとしています。昇進の階段を用意しにくい小さな会社でも、「次に任せたい仕事」「身につけてほしい技能」を年1回話し合うことはできます。身近な先輩を相談役にするメンターの仕組みも、費用をかけずに始められます。

ステップ5:休み方を整え、働きすぎに目を配る

白書は、仕事から心理的に離れる、くつろぐ、余暇を自分で決める、新しいことを学ぶ、といった「リカバリー経験」ができると、ストレスや疲労が回復し、働きがいの向上につながる可能性を示しています。日本では特に、仕事から心理的に離れられていないと答える人が多いとされています。勤務時間外の連絡を控える、休暇を取りやすくするといった取り組みは、働きすぎを防ぐ意味でも大切です。体調が万全でないまま働き続けることによる損失については、プレゼンティーイズムの損失と測り方で解説しています。

ステップ6:健康経営の取り組みの中に位置づける

ワークエンゲージメントは単発の施策ではなく、社員の健康と働きがいを経営の課題として扱う仕組みの中で育てるものです。社内での位置づけ方は、中小企業の健康経営の始め方が参考になります。

ここまでの取り組みは、測って、上司が支え、休める仕組みを整える流れです。ただ、悩みや不調を抱えた社員が上司にも人事にも話しにくい場面は残り、社内だけでは受け止めきれません。働きがいの土台として社外の相談先をどう用意するか、考える材料にサービス資料をご覧ください。

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ワークエンゲージメントを高めるときの注意点

ワークエンゲージメントのデメリットとして挙げられる点の多くは、扱い方の問題です。誤ると社員の負担や不信につながります。

「高いほどよい」とは限らない

先に見たとおり、働きがいの高い人が状況によっては働きすぎに陥ることがあります。白書も、ワーカホリックな働き方を称えるような職場のあり方を見直すよう求めています。熱心な人ほど長時間労働の兆しに目を配りましょう。

個人の点数を人事評価に使わない

点数を評価や処遇に使えば、社員は正直に答えなくなり、測る意味がなくなります。結果は部署や会社全体の傾向として扱い、個人の評価に使わないことを実施前に社員に伝えましょう。

不調のサインがある人には別の対応を

働きがいが低い背景に、心身の不調が隠れていることもあります。気になる社員がいれば、働きがいの施策より先に、上司が話を聴き、医療機関や相談先へつなぐ対応を優先してください。

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ワークエンゲージメントを高めるには、職場の状態を知ることと、社員が困ったときの相談先があることが欠かせません。ただ、産業医や保健師がいない会社では、部署ごとの状態を読み解くことも、安心して話せる社外の相談先を用意することも、人事だけでは手が回りにくいのが実情です。

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ワークエンゲージメントのよくある質問

Q. ワークエンゲージメントとは簡単に言うと何ですか?

仕事に対して「活力」「熱意」「没頭」の3つがそろった、前向きで充実した心の状態です。日本語では「働きがい」と言い換えられることが多い言葉です。

Q. ワークエンゲージメントの平均はどのくらいですか?

「令和元年版 労働経済の分析」では、正社員全体で0〜6点の範囲の3.42でした。ただし点数のつけ方が本来の UWES と少し異なるため、他の調査とそのまま比べることはできません。自社では、同じ方法で測った過去の数字と比べるのが基本です。

Q. ワークエンゲージメントが高い人の特徴は何ですか?

仕事から活力を得て、やりがいを感じ、集中して取り組んでいる人です。提唱者のマニュアルでは、自分から動く、仕事以外の活動も楽しむ、疲れを成果に伴う心地よいものと受け止める、といった傾向が紹介されています。

Q. ワークエンゲージメントはストレスチェックで測れますか?

国が推奨する57項目の調査票には、ワークエンゲージメントを直接尋ねる設問はありません。新職業性ストレス簡易調査票(80項目)を使うと、ワーク・エンゲイジメントの2問が含まれるため、ストレスチェックの集団分析とあわせて傾向を見られます。

Q. 従業員が少ない会社でもワークエンゲージメントに取り組む意味はありますか?

あります。白書ではスコアに企業規模によるはっきりした傾向は見られず、社員との距離が近い小さな会社ほど、上司の関わり方を変えやすい面もあります。少人数で測る場合は、回答者が特定されないよう集計の単位に注意してください。

まとめ:ワークエンゲージメントとは、会社が資源を整えて育てる「働きがい」

ワークエンゲージメントについて、要点を振り返ります。

  • ワークエンゲージメントとは、活力・熱意・没頭がそろった仕事への前向きな心の状態で、バーンアウトの反対に位置し、ワーカホリズムや従業員エンゲージメントとは別の概念
  • 厚生労働省の「令和元年版 労働経済の分析」は、定着や生産性、ストレスの低さとの関係を示したが、いずれも相関であり、効果を断定するものではない
  • 高める鍵は仕事の要求度-資源モデルにある。負担を把握したうえで、フィードバック、裁量、キャリアの話し合い、休み方といった仕事の資源を増やしていく

ワークエンゲージメントは、社員に熱意を求めて上がるものではありません。会社が職場の負担と支えを知り、資源を少しずつ増やすことで、働きがいは育っていきます。

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この記事を書いた人

はたらくこころ研究所 編集部のアバター はたらくこころ研究所 編集部 運営:株式会社remental

はたらくこころ研究所は、株式会社remental が運営する、職場のメンタルヘルスの情報メディアです。編集部では、産業医や保健師などの産業保健の担当者がいない会社で人事・総務・経営を担う方に向けて、ストレスチェック、休職・復職、ハラスメント対策、管理職のラインケアなどの実務をまとめています。
法令や制度に関する記事は、厚生労働省など公的機関が公表している情報をもとに作成し、制度の改正にあわせて見直しています。

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