「パワハラ対策はしているが、2026年10月の改正で何が増えたのか分からない」「どこまで手を打てば会社の義務を果たしたことになるのか」。人事・総務を一人で担当していると、テーマごとに情報を追うだけで手いっぱいになりがちです。
ハラスメント対策は、法律で会社に義務づけられた取り組みです。2026年10月1日からは、パワハラ・セクハラ・妊娠出産や育児介護に関するハラスメントに、カスタマーハラスメント(カスハラ)と、就活生などの求職者へのセクハラが加わり、防止措置が義務になったハラスメントは5つになりました。どのテーマでも会社がやることの骨格は同じで、方針を決めて伝える、相談窓口を置く、起きたら迅速に対応する、相談者を守る、の4つです。
この記事では、法律の条文と厚生労働省の指針をもとに、ハラスメント対策の全体像と、従業員30〜100人の会社が取り組む順番を整理しました。テーマごとの細かな手順は、各解説記事へご案内します。
この記事でわかること
- ハラスメント対策が義務になっている5つのハラスメントと、根拠になる法律
- 2026年10月1日施行の改正で、会社に新しく求められること
- すべてのハラスメントに共通する防止措置の4つの柱
- 小さな会社がハラスメント対策を進める6つのステップと具体例
- ハラスメント対策を形だけにしないための注意点
ハラスメント対策とは?企業に義務づけられた防止措置の全体像
ハラスメント対策とは、職場でのハラスメントを防ぎ、起きたときに適切に対応できるよう、会社が仕組みを整えることです。まず、なぜ必要か、どの法律で何が義務かを確認します。
ハラスメント対策はなぜ必要か
一つ目の理由は、ハラスメントが多くの職場で実際に起きていることです。厚生労働省の委託で行われた「令和5年度 職場のハラスメントに関する実態調査」では、過去3年間に勤務先でパワハラを受けた労働者は19.3%、顧客などからの著しい迷惑行為(カスハラ)は10.8%、セクハラは6.3%でした。会社側でも、過去3年間にパワハラの相談があった企業は64.2%にのぼります。
二つ目は、社員の心身の健康への影響です。厚生労働省が2026年7月に公表した令和7年度の「過労死等の労災補償状況」では、精神障害の労災の支給決定は1,082件で過去最多となり、原因となった出来事で最も多かったのは上司などからのパワハラ(222件)でした。労災と認められる基準は精神障害の労災認定基準と会社の対応で整理しています。
三つ目は、会社の法的な責任です。防止措置を怠れば行政指導の対象になり、ハラスメントを放置して社員が体調を崩せば、損害賠償を求められるおそれもあります。一方で、同じ調査では、取り組みの副次的な効果として「職場のコミュニケーションが活性化する/風通しが良くなる」を挙げた企業が39.1%ありました。
法律で防止措置が義務になっているハラスメントは5つ
2026年10月時点で、会社に防止措置が義務づけられているハラスメントは次の5つです。条文はいずれも、相談に応じて適切に対応する体制の整備その他の「雇用管理上必要な措置を講じなければならない」という形をとっています。
- パワーハラスメント:労働施策総合推進法 第31条。大企業は2020年6月1日、中小企業は2022年4月1日から義務
- セクシュアルハラスメント:男女雇用機会均等法 第11条
- 妊娠・出産等に関するハラスメント(いわゆるマタハラ):男女雇用機会均等法 第15条
- 育児休業・介護休業等に関するハラスメント:育児・介護休業法 第25条
- カスタマーハラスメント:労働施策総合推進法 第33条。2026年10月1日から義務
- 求職者等に対するセクシュアルハラスメント:男女雇用機会均等法 第13条。2026年10月1日から義務
妊娠・出産等と育児・介護休業等のハラスメントは、厚生労働省が一つのまとまりとして扱っているため、数え方は「5つ」になります。なお、法改正で条文の番号が変わっており、以前の資料ではパワハラが第30条の2、マタハラが均等法第11条の3と書かれています。
「ハラスメント防止法」は3つの法律の総称
「ハラスメント防止法」という名前の法律はありません。労働施策総合推進法(いわゆるパワハラ防止法)、男女雇用機会均等法、育児・介護休業法の3つをまとめて、こう呼ぶことがあります。
会社が講じるべき措置の具体的な中身は、法律ごとに厚生労働大臣が定めた「指針」に書かれています。パワハラは令和2年厚生労働省告示第5号、カスハラは令和8年厚生労働省告示第51号、求職者等へのセクハラは令和8年厚生労働省告示第52号です。最新の指針とパンフレットは厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために」にまとまっています。
2026年10月施行の改正ポイント
2025年6月11日に公布された改正法により、2026年10月1日から次の2つが会社の義務になりました。
- 顧客、取引先、施設の利用者などからの、社会通念上許容される範囲を超えた言動(カスハラ)から社員を守る措置
- 自社の社員が、就活生やインターンシップの参加者など求職者等にセクハラをしないようにする措置
あわせてパワハラの指針も改正され、自社の商品を社員の意に反して買わせる「買い取り強要」に関わる言動も、要件を満たせばパワハラに当たると明記されました。改正の全体像は厚生労働省「令和7年労働施策総合推進法等の一部改正について」で確認できます。
中小企業も対象。罰則・勧告・公表の仕組み
ハラスメント対策の義務に、従業員数による例外はありません。社員を1人でも雇っていれば対象で、パートや契約社員も守る対象です。派遣社員は、受け入れている派遣先も措置を講じる必要があります。
措置をとらない義務違反そのものに、刑事罰はありません。ただし、厚生労働大臣(権限の一部は都道府県労働局長に委任)による助言・指導・勧告の対象になり、勧告に従わなければ企業名が公表されることがあります。求められた報告をしない、または虚偽の報告をした場合は20万円以下の過料です(労働施策総合推進法 第42条・第51条、男女雇用機会均等法 第36条・第39条など)。
ハラスメントの種類と具体例
対策の前提として、何がハラスメントに当たるかを社内で共有しておく必要があります。義務の対象になっている5つの定義と典型例を紹介します。
パワーハラスメント(パワハラ)の定義と具体例
パワハラは、職場で行われる、優越的な関係を背景とした言動で、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、労働者の就業環境が害されるものです。この3つの要素をすべて満たすものが該当し、上司から部下に限らず、専門知識を持つ部下や同僚の集団からの言動も含まれます。
指針は、身体的な攻撃、精神的な攻撃、人間関係からの切り離し、過大な要求、過小な要求、個の侵害の6つの類型を挙げています。人前で長時間繰り返し叱責する、一人だけ別室に隔離する、といった言動が典型です。
セクシュアルハラスメント(セクハラ)の定義と具体例
セクハラは、職場で行われる性的な言動に対する労働者の対応によって労働条件で不利益を受けたり(対価型)、性的な言動によって就業環境が害されたり(環境型)することです。性的な冗談を繰り返す、執拗に食事に誘う、必要なく体に触る、といった言動が典型です。
同性に対するものも含まれ、行為者が取引先の社員や顧客である場合もあります。
マタハラ・育児介護休業等に関するハラスメントの具体例
妊娠・出産や、育児休業・介護休業などの制度の利用に関する上司や同僚の言動で、就業環境が害されるものです。大きく、制度の利用を妨げたり嫌がらせをしたりする型(例:「育休を取るなら評価は下げる」と言う)と、妊娠や出産をしたこと自体への嫌がらせの型(例:「妊婦は戦力にならない」と繰り返す)があります。
一方で、体調を気づかって業務量を調整するなど、業務上の必要にもとづく言動はハラスメントに当たりません。会社には、4つの柱に加えて、業務体制の整備など、原因や背景を解消する措置も求められています。
カスタマーハラスメント(カスハラ)の定義と具体例
カスハラは、顧客、取引先、施設の利用者など事業に関係のある人の言動で、社員の業務の性質などに照らして社会通念上許容される範囲を超え、社員の就業環境が害されるものです。暴言や脅迫、土下座の強要、長時間の居座りや電話での拘束などが例に挙がっています。
正当なクレームはカスハラではありません。正当な申入れには誠実に応え、行き過ぎた言動からは社員を守る、という線引きを社内で共有しておくことが出発点になります。
求職者等に対するセクハラ(就活ハラスメント)の具体例
自社の社員が、採用面接、会社説明会、OB・OG訪問、インターンシップなどの場で、求職者等に性的な言動をし、求職活動を妨げるものです。指針は、面接で性的な事実を質問する、インターンシップ中に執拗に私的な食事に誘う、といった例を挙げています。SNS などオンラインのやり取りや、職場の外で起きるものも含まれます。
ハラスメント防止措置の4つの柱(すべてのハラスメントに共通)
5つのハラスメントの指針は、会社に求める措置の骨格がほぼ同じです。共通の4つの柱を押さえ、テーマごとの措置を足していくと、抜け漏れなく整理できます。
柱1:方針を明確にして周知・啓発する
ハラスメントの内容と、行ってはならないという方針を明確にし、管理職を含む社員に伝えます。行為者には厳正に対処する方針と、その内容(懲戒など)も就業規則などに定めて周知します。
周知の方法としては、就業規則への規定、社内報や社内ホームページへの掲載、研修が例に挙がっています。研修の組み立て方と、無料で使える公的な教材はハラスメント研修の内容と無料教材で紹介しています。
柱2:相談窓口を設けて、適切に対応できるようにする
相談窓口をあらかじめ決めて社員に知らせ、担当者が相談の内容や状況に応じて適切に対応できるようにします。起きるおそれがある場合や、該当するか微妙な場合も、広く相談を受けることが求められています。
窓口は社内の担当者でも、外部への委託でもかまいません。パワハラ、セクハラ、カスハラなどの窓口を一つにまとめることもできます。担当者の選び方と対応の手順はハラスメント相談窓口の設置義務と担当者の対応手順で解説しています。
柱3:起きたときに迅速かつ適切に対応する
相談があったら、事実関係を迅速かつ正確に確認し、ハラスメントがあったと確認できた場合は、被害を受けた社員への配慮と、行為者への措置を適正に行います。事実が確認できなかった場合も、方針の再周知などの再発防止策をとります。
ヒアリングの質問例や判断の仕方は、パワハラを例にパワハラの相談対応の手順で詳しくまとめています。セクハラやマタハラの相談でも、流れの基本は同じです。
柱4:相談者のプライバシーを守り、不利益な扱いをしない
相談者や行為者のプライバシーを守るために必要な措置をとり、そのことを社員に周知します。また、相談したことや、事実確認に協力したことを理由に、解雇などの不利益な扱いをしないことを定め、社員に伝えます。性的指向やジェンダーアイデンティティ(性自認)、病歴、不妊治療などの機微な個人情報も、プライバシーに含まれると指針は明記しています。
社内に知られる不安があると、窓口があっても相談は来ません。この柱は、ほかの3つを機能させる前提です。
ハラスメント対策の具体例:会社がやることを6ステップで
従業員30〜100人の会社がハラスメント対策を進める順番を、6つのステップに並べました。すでにできている部分は飛ばしてください。
ステップ1:今の状態を点検する
まず、次の項目ができているかを点検します。
- 就業規則などに、ハラスメントを禁止する方針と懲戒の規定がある
- 方針の対象に、パワハラ・セクハラ・マタハラ等に加えて、カスハラと求職者等へのセクハラが入っている
- 相談窓口が決まっていて、社員がその連絡先を知っている
- 相談を受けたときの対応の流れと、記録の様式がある
- 相談者を守ることと、相談を理由に不利益な扱いをしないことを社員に伝えている
- 採用面接やインターンシップで、社員が求職者と接するときのルールがある
無記名のアンケートで社員が困っている場面をつかむと、優先すべきテーマが見えてきます。
ステップ2:基本方針を決めて、トップが発信する
ハラスメント対策は、経営者が「許さない」と明言するトップメッセージから始まります。法律は、事業主(法人であれば役員)自身も言動に注意を払うよう努めることを求めています。小さな会社では行為者が経営者であることもあるため、窓口を社長一人にしないことも大切です。
基本方針の文面は、たとえば次のような要素で組み立てます。
- 当社は、パワハラ、セクハラ、妊娠・出産・育児・介護に関するハラスメント、求職者等へのセクハラを許しません
- 顧客や取引先からの、社会通念上許容される範囲を超えた言動から社員を守ります。正当なご意見には誠実に対応します
- ハラスメントを行った者には、就業規則にもとづき厳正に対処します
- 困ったときは、相談窓口(担当者・連絡先)に相談してください。相談者のプライバシーは守られ、相談したことで不利益な扱いを受けることはありません
ステップ3:就業規則とハラスメント防止規程を整える
就業規則の服務規律に禁止事項を書き、懲戒の事由にハラスメントを入れます。詳細は別に「ハラスメント防止規程」を作ると管理しやすくなります。規程の項目例は次のとおりです。
- 目的と、対象となる人(正社員、パート、派遣社員、役員など)
- 禁止するハラスメントの定義と具体例(5つのテーマ)
- 相談窓口と相談の方法
- 事実確認の手順と、調査への協力義務
- 被害者への配慮、行為者への懲戒、再発防止
- プライバシーの保護と、不利益な扱いの禁止
- カスハラへの対応と、求職者等と接するときのルール
就業規則を変更したときは、社員の過半数代表者の意見を聴いて、常時10人以上を雇う事業場は労働基準監督署へ届け出ます。
ステップ4:相談窓口を決めて周知する
窓口の担当者を決め、社内掲示や入社時の資料などで連絡先を知らせます。男女の担当者を置く、社外の窓口と組み合わせるなど、相談のルートを複数用意するのが現実的です。
カスハラは、店頭や受付、ホームページに会社の姿勢を掲示すると、社員にもお客様にも伝わります。無料ポスターと掲示文の例はカスハラポスターの無料ダウンロード先と掲示文の例文にまとめています。
ステップ5:研修で全員に伝える
全社員向けの研修で、何がハラスメントに当たるか、どこに相談するかを伝えます。管理職には指導の注意点と相談を受けたときの初期対応を、採用に関わる社員には求職者と接するときのルールを加えます。
講師を外部に頼まなくても、厚生労働省の総合情報サイトあかるい職場応援団で、研修資料や動画を無料で入手できます。毎年12月は厚生労働省の「職場のハラスメント撲滅月間」なので、年に1回この時期に研修を行うと決めておくのも一つの方法です。
ステップ6:起きたときの対応の流れを決め、毎年見直す
相談を受けてから、事実確認、判断、措置、フォローまでの流れを、誰が何をするかまで社内の対応マニュアルにしておきます。調査を社内で行うか、社会保険労務士や弁護士などに頼むかの目安も決めておくと、いざというときに慌てません。
仕組みは、相談の件数や内容、社員アンケートの結果をもとに年1回は見直します。パワハラの指針は、アンケートや意見交換で運用状況を把握する方法として、衛生委員会の活用も例に挙げています。
方針や規程は社内で作れても、「社内の担当者には話しにくい」という社員の受け皿や、職場のどこに負担がたまっているかを知る手段は、社内だけでは用意しにくいものです。ココロチェックのサービス資料では、そこを外部の力で補う方法を紹介しています。
資料ダウンロード
ハラスメント対策の相談先づくりに。ココロチェックのサービス資料
2026年10月から追加で整えるハラスメント対策
パワハラ・セクハラの対策がある会社は、今の仕組みに次の点を足せば改正に対応できます。
カスハラ対策で追加すること
カスハラ対策では、現場での対処のルールが重要になります。どこからの要求を受けないのか、悪質な場合は誰が判断して警告や対応の打ち切り、警察への通報を行うのかを決めます。指針は、可能な限り社員を一人で対応させないことや、被害を受けた社員のメンタルヘルス不調への相談対応も例に挙げています。
具体的な進め方は、カスハラ対策の義務化で企業がやることで7つの手順に分けて解説しています。東京都のように、独自のカスハラ防止条例(2025年4月1日施行)を設けている自治体もあるので、事業所のある地域の取り組みも確認しておきましょう。
求職者等へのセクハラ対策で追加すること
求職者等へのセクハラは、自社の社員が加害者になるのを防ぐ措置です。次の3点を整えます。
- 基本方針と就業規則の禁止事項に、求職者等へのセクハラを明記する
- 面談の場所や時間、連絡に使う手段(会社のアカウントなど)を決め、求職者と接する社員に周知する
- 採用ページや会社説明会の資料に、求職者向けの相談窓口を載せる
指針は、求職者が人事担当者への相談をためらうことも考えられるとして、人事以外の担当者を窓口にすることにも触れています。
ハラスメント対策の注意点
仕組みを作っても、運用で形だけになりやすいのがハラスメント対策です。小さな会社でつまずきやすい点を押さえておきましょう。
「指導できなくなる」とやりすぎを恐れない
対策を進めると、管理職から「指導できなくなる」という声が出ることがあります。パワハラの指針には「客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、職場におけるパワーハラスメントには該当しない」と明記されています。
研修では、禁止事項だけでなく、ミスを指摘するときは人格ではなく行動を対象にする、人前でなく個別に伝える、といった適切な指導の方法もあわせて伝えると、萎縮を防げます。
被害を受けた社員のメンタルヘルスにも目を配る
ハラスメントを受けた社員は、措置が終わったあとも、不眠や出社のつらさが続くことがあります。行為者との席や担当を離す、上司が定期的に声をかける、必要に応じて専門家への相談をすすめる、といったフォローを続けます。
ハラスメントの放置や、被害後の対応の遅れは、会社の安全配慮義務の問題にもなりえます。会社が負う責任の範囲は安全配慮義務とメンタル不調で問われる会社の責任で確認できます。
ココロチェックで、ハラスメントの「芽」と相談先を用意する
ハラスメント対策の義務は4つの柱でできています。ただ、従業員30〜100人の会社では、「社内の窓口には話しにくい」という社員の声や、ハラスメントになる前の職場のぎくしゃくに、人事が気づくのは簡単ではありません。
ココロチェックは、産業保健の担当者がいない会社のための、法人向けメンタルヘルスサービスです。組織の状態を「測る」ところから、社員が専門家に相談して「癒す」ところまでを一つのサービスで支えます。
- 組織の状態を測る:設問に答えるだけで、組織の状態と部署ごとの傾向がわかる組織診断を無料で用意しています。負担が集まっている部署を早めに見つける材料になります
- 社員の相談先になる:公認心理師・臨床心理士などの専門家に、オンラインで1回30分から相談できます。社内では話しにくい悩みの受け皿になります
- 人事に個人の情報は渡さない:会社が見られるのは組織単位の傾向だけで、誰が相談したかは本人の同意なく伝わりません
ハラスメントの芽を、部署ごとに見つける
設問に答えるだけで、組織の状態と部署ごとの傾向がわかる無料の組織診断です。研修や相談体制の見直しの優先順位づけに使えます。
ハラスメント対策のよくある質問
Q. ハラスメント対策の義務化はいつからですか?
パワハラ防止措置は大企業が2020年6月1日、中小企業が2022年4月1日から義務です。セクハラとマタハラ等の防止措置はそれ以前から義務になっています。カスハラと求職者等へのセクハラの防止措置は、2026年10月1日から義務になりました。
Q. ハラスメント対策をしないと罰則はありますか?
刑事罰はありませんが、労働局の助言・指導・勧告の対象になり、勧告に従わないと企業名が公表されることがあります。報告をしない、または虚偽の報告をすると20万円以下の過料です。民事上の損害賠償のおそれもあります。
Q. 従業員が少ない中小企業も、ハラスメント対策は義務ですか?
義務です。社員を1人でも雇っていれば、従業員数や業種にかかわらず対象になります。公的な無料教材や社外の相談先を使えば、負担を抑えて始められます。
Q. ハラスメント対策委員会の設置は義務ですか?
義務ではありません。指針は、事実確認を行う担当の例として、相談窓口の担当者や人事部門と並んで「専門の委員会」を挙げているだけです。小さな会社では、調査の担当者と判断する人を事前に決めておけば対応できます。
Q. ハラスメント防止法は取引先との関係にも適用されますか?
取引先の担当者からのカスハラやセクハラも、会社が社員を守る措置の対象です。また、自社の社員が取引先の社員に対する言動に注意を払うよう、研修などで配慮することも会社の努力義務です。セクハラやカスハラについて取引先から事実確認などへの協力を求められたら、応じるよう努めることが法律に定められています。
まとめ:ハラスメント対策は共通の4つの柱から
ハラスメント対策について、要点を振り返ります。
- 防止措置が義務になっているハラスメントは、パワハラ、セクハラ、マタハラ等、カスハラ、求職者等へのセクハラの5つ。2026年10月1日からカスハラと求職者等へのセクハラが加わった
- どのハラスメントも、方針の周知・啓発、相談体制の整備、事後の迅速な対応、プライバシー保護と不利益な扱いの禁止、の4つの柱が骨格になる
- 小さな会社は、点検、トップの方針、規程、窓口、研修、対応の流れの順に進め、カスハラの対処ルールと求職者と接するルールを足す
ハラスメント対策の目的は、規程をそろえることではなく、社員が困ったときに声を上げられ、会社がきちんと応える職場をつくることです。できるところから整えていきましょう。
ハラスメント対策の出発点に、職場の今を知る
無料の組織診断で、組織の状態と部署ごとの傾向がわかります。どこから対策を進めるかを考える材料にどうぞ。
